エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1272
2023.04.02 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:pepe
検証のトップバッターには、ストレステストの定番である「OCCT」の最新バージョン「OCCT 11.0.21」をチョイスした。プリセットには、CPUとGPUの両方に強力な負荷をかけてフルロード時の挙動を再現する「電源」を選択、テストは30分間動作させている。
ちなみにテスト動作中の消費電力は最大856W。さすがは80PLUS PLATINUM認証モデルらしい高効率動作で、Ryzen 9 7950XとGeForce RTX 4090を搭載しながら負荷率は65%に留まっていた。
ATX電源コネクタとCPU補助電源コネクタ、12VHPWRコネクタの3箇所で計測した、システムの主要パーツに用いられる+12Vの挙動から、製品の安定性をチェックしていく。いずれも上振れは最大でも0.2%程度で、ほぼ誤差と言えるレベル。下振れの程度を見ていくと、ATXは0.7%程度でCPUは1%ほど、最も変動が大きな12VHPWRでも1.5%程度に収まった。
これらはATX 3.0規格のデザインガイドで許容されている+5%/-7%の変動幅に比べれば、いずれも極小と言っていい。テスト冒頭以降の動作中は0.01~0.02V程度の変動に落ち着くなど、強力な負荷が継続してかかっている状況でも動作は非常に安定している。
続いては、主にグラフィックスカードに大きな負荷をかけることができる3Dベンチマークテストの「3DMark」から、DirectX 12 Ultimate対応のストレステスト「Speed Way Stress Test」を動作させてみた。GeForce RTX 40シリーズの性能をフル活用できるテストを30分間ループで実行、その際の挙動を確認してみよう。
なおテスト中における消費電力は最大659Wで、負荷率はちょうど50%程度。一般的に電源ユニットはシステム負荷50%時に最大の変換効率を発揮することから、効率面ではほぼ理想的な環境で動作していたことになる。
先ほどの「OCCT」に比べ、全体的に変動の少ない結果に収まった。ほとんど変動のない上振れは置いて下振れ方向に注目すると、ATXは最大0.5%未満、CPUでちょうど0.5%と言ったところだ。最も変動の大きい12VHPWRですら、1%をようやく超える程度。かなり厳格な電圧レギュレーションが設定されていることがうかがえる。