エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1277
2023.04.17 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:pepe
ここからはゲーム系ベンチマークを使用して、より実際のゲームシーンに近い負荷を再現してみよう。長時間のループ実行に対応したゲーム系ベンチから、「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ」の公式ベンチマークをチョイス。グラフィックス設定を「最高品質」、解像度を3,840×2,160ドットにセットし、これまで同様に30分間連続で動作させている。
ベンチマーク動作時の消費電力は最大405Wと、今回の検証における最小値をマーク。変換効率も最高に近い、システム負荷40%で動作していた。
特に12VHPWRの変動が忙しいように見えるのは、頻繁にロードを挟むテストのためだ。しかし全体の変動幅を見ていくと、変動の最大値はいずれも「OCCT」および「3DMark」とまったく同じ。しかもATXはなんと負荷がかかるテスト中のブレがまったくないという、極めて優れた安定性を示していた。
続いて長時間のループ実行に対応したゲーム系のベンチマークテストから、より負荷の大きな「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」の公式ベンチマークをチョイス。グラフィックス設定は「高品質」をベースに最も負荷がかかるように項目を選択、解像度は3,840×2,160ドットにセットし、これまで同様に30分間連続で実行した。
なお、テスト中の消費電力は最大549W。変換効率が最も高くなる負荷率50%に近い環境で動作していたことになる。
ここまでタイプの異なるテストを複数実行しながら、変動の最大値はすべて同じ数値をマーク。負荷の強さやパターンが異なるシチュエーションで、ここまでブレなくシステムを動かせるとは驚かされる。変動幅もATX 3.0規格のデザインガイドに比べて大幅なマージンがあり、極めて厳しい電圧レギュレーションが設定されているようだ。
今回はスモールフォームファクタ向けに現れた、ATX 3.0準拠のイマドキな大容量電源ユニットを検証してきた。実動テストで驚かされたのは、手のひらサイズのコンパクト仕様を感じさせず、ATXモデルにも引けを取らない圧倒的な安定性だ。設計上の制約が大きいはずのSFX-Lフォームファクタ製品ながら、電源ユニットとしての信頼性は一級品。ATXのハイエンドモデル同等のコンポーネントで構成されているという、こだわりの設計に間違いはなかった。
SFX-Lフォームファクタでは最高峰の容量をラインナップし、12VHPWRコネクタを備えた最新規格にも準拠。ゲーミングブランドらしいカッコいいデザインも相まって、これからミニマムなハイエンドシステムを組もうという向きには最適な選択肢だ。まさに不安なく最強マシンの心臓を任せられる小さな巨人、エンスー向けに(国内展開が見送られた)TIATNIUM認証の1200Wモデルの投入も大いにアリな気がする。
協力:ASUS JAPAN株式会社