エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1281
2023.04.28 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:pepe
「Dark Power 13 1000W」を分解すると、大型筐体の内部にはケーブルレス設計の整った回路が余裕をもって配置されていた。フルブリッジLLC回路とDC-DCコンバータによりリップルノイズを抑えた高効率動作が可能なほか、コンデンサにはすべて高耐久な日本メーカー製の105℃品を採用している。
また、冷却機構には三点支持された135mmフレームレスファンの「Silent Wing」を搭載。流体動圧ベアリング(FDB)と6極モーターを内蔵した超静音ファンで、負荷20%以下で8.1dBA、50%で8.6dBA、100%でもわずか25.8dBAという静粛動作を誇る。極めて動作音が小さいことから、業界主流のセミファンレスではなく常時回転仕様になっている点も特徴だ。
1000Wモデルとしては大型の奥行き175mm筐体いっぱいに広がった、「Dark Power 13 1000W」の内部構造。コンポーネント間のクリアランスも十分に確保され、冷却効率も良さそうだ |
交流電流の入り口にあたる入力部。大容量のXコンデンサとYコンデンサ、チョークコイルなどで構成され、突入電流や高周波ノイズを防いでいる | 交流を脈流に整流する一次側整流回路。発熱の大きなダイオードやMOSFETは放熱板に取り付けられている |
力率を改善するアクティブPFC回路に実装されたコイル | HONGFA製パワーリレー |
アクティブPFC回路に実装されたブーストダイオードCREE「C3D08065I」とInfineon製MOSFET。発熱が大きいため、ヒートシンクに直接固定されている | PFCコントローラなどが実装されたアクティブPFCボード |
脈流を安定した直流に変換するための一次側平滑回路。耐圧420V/105℃対応の日本ケミコン製コンデンサが実装されていた |
LLC回路に実装されたメインスイッチャーとトランス。スイッチャーは発熱が大きいため、ヒートシンクに取り付けられている | PWMコントローラが実装されたPWMボード |
高周波数のスイッチングにより、400V以上になる入力を実際に使う電圧値に近い値に変換するメイントランス |
二次側の整流回路から平滑回路にかけてのエリア。耐久性だけでなく応答性能に優れる固体コンデンサが採用されるほか、日本ケミコン製の105℃コンデンサも実装されていた |
12Vから5Vと3.3Vを生成するDC-DC変換基板。5Vと3.3Vの生成は、基板背面に実装された6基のInfineon製MOSFETが担っている |
スタンバイ用の5VSB回路に実装されたサブトランス。すぐ隣には日本ケミコン製コンデンサが実装されている |
ユニットの最奥に搭載されているケーブルマネジメント基板。隠れている裏面には、リップルノイズを低減する固体コンデンサなどが実装されている |
冷却機構を担う135mm径の「Silent Wing」ファン。フレームレス仕様のファンで、筐体に固定されたインレットは漏斗状に成形され、良質なエアフローを構築している |
珍しい三脚固定スタイル。型番は「BQ SIW3-13525-HF」で、最大回転数は1,800rpm、騒音値は負荷100%でも25.8dBAと静粛だ |