エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1283
2023.05.03 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
ここからは内部構造をくまなく見ていこう。外観周りは見せる要素が印象に強く残っているが、Performance 1 FTは高エアフロー設計が前面にアピールされている。両サイドを強化ガラスで密閉した代わりに仕掛けられた、高冷却に向けての設計や、ストレージ収納力、ボトムカバー内部の様子など、その全てを解説しよう。
強化ガラス製サイドパネルを外した左側面の様子 |
強化ガラス製サイドパネルを外した右側面の様子 |
作業の妨げになるモノが見当たらない左側面開口部。マザーボードトレイに注目すると、出荷時よりスタンドオフ(台座)が装着されている。ATX規格の標準レイアウトで、3列に上・中・下段の合計9本。そのうち2列目の中段のみ段差付きのスタンドオフが使用されていた。いまさら説明するまでもないが、ネジ留めを行う際、マザーボードのポジション決めに役立つ。
オレンジの丸印が、段差付きのスタンドオフの固定位置。マザーボードのネジ穴に段差が合い、バックパネルやその他8本のスタンドオフネジ穴位置のおおよそが決まる |
Performance 1 FTの下部には、ボトムカバー(シュラウド)が装備されている。L字型のプレートをシャーシにリベット留めした構造は、右側面と後方の開口部を活用。前方にはケージタイプのシャドウベイユニット、後方には電源ユニットをそれぞれ搭載させ、システムが複雑になることで煩雑さを増すケーブル類を収納する事もできる。
なお内部高は実測で約95mmと標準的で、天板部のほとんどを通気孔とし、熱ごもりを防止する役割を果たしてくれる。なおこれらについては、各ポジション毎の解説で個別にチェックを行う事とする。
フロントパネル内部のシャーシ面には、出荷時より3基の冷却ファンが装備されている。チョイスされたのは「Storm T3 140mm PWM FAN」で、サイズは140mm。さらにトピックは厚さが30mmであること。標準的な25mmから5mmプラスすることでブレードの表面積を稼ぎつつ角度が付けられるため、静音性を維持しながらより多くの風量を生み出したい考えだ。なおAntec本社の日本担当者によると、単体での販売予定もあるという。
またLED非搭載である事を好意的に受け止める読者も多いだろう。本来の仕事である冷却ファンに徹し、ときに複数になるにつれ煩雑で悩みの種となるRGB LEDケーブルが無い事で、組み込み易さにも貢献している。
なおフロント部には120mmファン3基換装用のネジ穴(スリットタイプ)も用意され、ラジエーターは120/140/240/280/360/420mmサイズが搭載できるようになっている。
Storm T3 140mm PWM FAN:回転数600~1,500rpm、風量112.72CFM、静圧2.29mmH2O、定格電圧DC12V、動作電圧DC6.0~13.8V、定格電流≤0.36 A |