エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1284
2023.05.05 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
「K60 PRO TKL WHT」の外観や仕様、構造をチェックしたところで、続いては気になる使用感に迫っていこう。今回は店頭で多くのデバイスに触れ、自身もハードコアなゲーマーである某店員氏にリポートを依頼。タクティカルシューターのVALORANTを中心に20時間ほど使い込んでもらい、そのインプレッションを語ってもらった。
ゲーミングデバイスのフロアを担当し、自身も日々ゲームに没頭するショップ店員に「K60 PRO TKL WHT」を使い倒してもらう |
アクチュエーションポイントが1.0㎜と浅く押下圧も軽め、底打ちまでの距離も体感できるほど短く感じます。この特性がシューター系タイトルではかなりの恩恵。特にVALORANTでは、キャラクターが停止している状態でないと弾が照準の位置に飛ばない仕様なのですが、この際に重要なストッピングが非常に快適に行なえます。射撃の直前に移動キーを離す、または移動している方向と逆方向にキー入力してキャラクターを素早く停止させるといったアクションですね。
これは従来のメカニカルスイッチに比べデバウンスタイムが短く、入力をより高速に反映してくれるスイッチの仕様があってこそ。体感までは難しいものの、8,000Hzポーリングレート対応で理論上の通信速度自体も超高速。自分の望む動作をそのままプレイに反映できるので、デバイスを気にすることなくプレイに集中できました。
それとPBT樹脂の2色成形キーキャップは、乾燥時には滑りがよく湿った状態ではしっかりグリップしてくれるなど、操作感の良さに一役買っています。プレイ中に指がズレることがないため、スイッチの軽快さと相まって、長時間プレイでもそれほど疲労感を覚えることなくゲームに没頭できます。
なお、少々気になったのは打鍵音の大きさ。リニア特性のスイッチとあってクリック音はしないのですが、底打ち時の残響音がそれなりに響きます。静音性を重視するユーザーであれば、この点がネックになるでしょうか。
同時押し機能はNキーロールオーバーに対応。入力抜けもなく、スムーズに認識されていた |
そして「K60 PRO TKL WHT」の主要なトピックの一つでもある、ビジュアルの良さは特筆モノ。アルマイト加工を施したアルミ筐体と白いキーキャップ、さらにクリアハウジングのスイッチによる上品な光の反射は、落ち着いた高級感があり好印象です。
「iCUE」を使ったカスタマイズは、設定項目が非常に多く初心者泣かせではありますが、使いこなせれば設定は自由自在。Wallpaper EngineのLED効果にも対応しているので、動く壁紙と連動したライティングも楽しめますよ。
「K60 PRO TKL WHT」のもつ上品なビジュアルは、ホワイトカラーで統一したいユーザー以外でも使いたくなる美しさ。純白のキーキャップとそれを引き立てる高級感あるアルミプレート、シルキーな輝度のARGBバックライトが組み合わせられ、嫌味のない華やかさを演出している。
さらにゲーム検証における良好なプレイフィールからもうかがえるように、短接点の光学式スイッチと8,000Hzポーリングレートによる高水準な反応スピードは、ゲーマーにとって大きな武器になる要素。Nキーロールオーバーやアンチゴーストといった定番機能を合わせ、ゲーミングキーボードに求められる機能はすべて網羅している。
それに短ストロークかつ軽荷重リニアのスイッチがもたらす、軽快極まる底打ち感が実に気持ちいい。肉厚のキーキャップと硬質なアルミプレートとの組み合わせにより、ともすれば軽薄になりかねない軽荷重仕様にちょうどいい深みが加わっている。キーキャップのサーフェスも良い感触で、長時間プレイも苦にならないという検証時の印象にも説得力を感じた。
美しいビジュアルでデスク上でも屈指の存在感を発揮してくれるのはもちろん、極上の打鍵感により、目と指を同時に楽しませてくれる。ここまでくれば、(ややけたたましくもある)軽妙な響きの打鍵音もまた、愛好家にとってはプラス要素に感じるかもしれない。
協力:CORSAIR