エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1288
2023.05.19 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ASRock「A620M PRO RS」 市場想定売価税込21,980円(4月28日発売) 製品情報(ASRock) |
AMD B650の下位に位置付けられる、エントリークラスのチップセット「AMD A620」を搭載するマザーボードが市場に登場して一ヶ月ほど。Ryzen 7000シリーズ向けの最新モデルがほとんど2万円前後から購入できるとあって、店頭では早くも好調な動きを見せている。
これによりSocket AM5プラットフォームの泣きどころだった、低価格マザーボード不在によるコスト面のビハインドは、ほぼ解消したと言っていいだろう。AMD A620搭載マザーボードをベースに最新AMDマシンを組もうという機運は、今後さらに加速していくはずだ。
待望の低価格マザーボードとして、AMD A620チップ搭載モデルの販売がスタート。Socket AM5ベースの自作にチャレンジしやすい環境が整ってきた |
今回そのラインナップから取り上げるのは、ASRockが発売したMicroATXマザーボードの「A620M PRO RS」。50A Dr.MOSによる6+2+1フェーズの電源回路を搭載し、TDP120WまでのCPUに対応する。AMD A620チップ発表時に構想されていた、(TDP 120Wの)“ゲーミングCPU”こと3D V-Cache搭載のRyzen 7 7800X3Dを組み合わせた構成も可能というわけだ。
そして極端な低価格モデルと異なり、冷却機構を省略することなく大型のヒートシンクを備えている点も好印象。長時間高い負荷がかかるシチュエーションにおいても、安定した動作が期待できそうだ。メモリスロットもしっかり4基が実装されているあたり、マシン構築におけるパーツチョイスの制約を受けにくい構成と言える。
「A620M PRO RS」は、十分な規模の電源回路と冷却機構、バランスの良い搭載機能を備えたMicroATXマザーボードだ |
DDR5メモリスロットは最大6,000MHz動作に対応。ストレージは専用ヒートシンク付きを含むPCI Express 4.0対応のHyper M.2×2とPCI Express 3.0対応スロット×1を合わせた、計3基のM.2スロットを備える。実装面積の限られるMicroATXモデルとしては、十分なストレージ構成だろう。
また、拡張スロットは頑丈な「Steel Slot」仕様のPCI Express 4.0(x16)×1に加え、Wi-Fiモジュールを増設可能なM.2 2230スロット(Key-E)も実装されている。
エントリークラスのMicroATXモデルらしい、コンパクトかつシンプルなデザインのパッケージ。搭載チップやDDR5メモリ対応の環境であることがひと目で分かる |
Dr.MOS採用の電源回路や複数M.2スロットのストレージ構成など、トピックが分かりやすくまとめられたパッケージ裏面。マニュアルとSATAケーブル、M.2 SSD固定用のネジやスペーサーなどが付属している |
そのほか、ネットワークはRealtek 8111HによるギガビットLANを搭載。音響コンデンサや分離基板設計を採用する、7.1ch対応のオーディオ回路も備えている。昨今の中堅モデル以上でトレンドになっている一体型I/Oパネルを採用する点もまた、単なる低価格モデルとは一線を画する仕様だ。