エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1289
2023.05.21 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
計50枚で構成される放熱フィンに貫通するのは、φ6mm計4本のヒートパイプだ。ブラックにコーティングされた銅製ヒートパイプは、縦置き・横置きの設置方向による影響が受けにくい「アンチグラビティヒートパイプ(antigravity heat pipe)」を採用。ロケーションにとらわれず、常に最大の熱交換パフォーマンスが発揮できるとされる。
ヒートパイプのレイアウトを示したメーカー画像。左右等間隔にUの字のヒートパイプ4本で構成されている事が分かる |
真正面からヒートシンクを眺め、ヒートパイプのレイアウトを確認。左右非対称の曲げ加工により、ヒートシンクに対し等間隔で貫通している様子が分かる |
斜めから見ると、あたかも8本のヒートパイプが貫通しているように見えるが、実際には受熱ベースプレート部を支点としてUの字に曲げられている |
受熱ベースプレートに注目してみると、φ6mmヒートパイプがCPUに直接接触する、ダイレクトタッチ式が採用されている。手元資料によると、K4に採用されているのはPC COOLER社の「第3世代ダイレクトタッチテクノロジー」とされる。この辺りをサイズS氏に聞くと、ダイレクトタッチ式にも改良が加えられているそうで、K4には「初期型(プロトタイプ)」と「改良型」の2タイプが存在していた。ここでサイズS氏が筆者への解説用に作成したイラストをご覧頂こう。
「初期型(プロトタイプ)」は、設置面で露出するヒートパイプの面積が狭い事が分かる。この時点でのテストでは、サイズS氏の想定した冷却性能には及ばず、改良を要請。その結果「改良型(プロトタイプ)」ではφ6mmの太さを十分に生かす露出により、ヒートスプレッダへの接触面積を拡大。CPUへのダイレクトタッチ部分が広くなることで受熱量が向上し、ヒートパイプのパフォーマンスが十分に発揮できるようになった。
左が改良型で右が初期型。受熱ベースに差し掛かる付近の”ヒートパイプの処理”が丁寧に行われている事が分かる |
そして編集部に届けられた「初期型(プロトタイプ)」と製品版である「改良型」を実際に見比べてみると、その違いは一目瞭然。結果「改良型」はサイズS氏が合格点を出すほどの、高い冷却パフォーマンスが発揮できるようになった。
メタル製ブリッジリテンションは、出荷時よりネジ固定されている |
受熱ベースプレートは実測で35x40mm、厚さ約13mmといったところ。こんなところに「Made in China」は珍しい |