エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1290
2023.05.23 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
NVIDIA「GeForce RTX 4060 Ti 8GB Founders Edition」 製品情報(NVIDIA) |
未だ最もユーザーが多い、フルHD解像度における高リフレッシュレート環境をターゲットにした、NVIDIAの最新ミドルレンジGPU「GeForce RTX 4060 Ti 8GB」の国内発売が2023年5月24日22:00より開始される。今年4月にリリースされた「GeForce RTX 4070」の下位に位置づけられる製品で、コアアーキテクチャは「Ada Lovelace」、製造プロセスは4N NVIDIAカスタムプロセスで同じだが、GPUコアは「AD104」から、より規模の小さい「AD106」へと変更されている。
フルバージョンの「AD106」(左)とGeForce RTX 4060 Ti(右)のブロックダイアグラム図。GeForce RTX 4060 Tiでは、2基のSMと1基のNVDECが省略されている |
Steam状況を確認するとフルHD以下の解像度でゲームをプレイしているユーザーは77%に達するという | GeForce RTX 4060 Tiを使えばフルHD解像度で高リフレッシュレートな環境を構築できる |
GPUコアのスペックは、CUDAコア数が4,352基、Tensorコア数が136基、RTコア数が34基とされ、いずれもGeForce RTX 4070(5,888基/184基/46基)の7割強、先代モデルGeForce RTX 3060 Ti(4,864基/152基/38基)との比較でもわずかに縮小されている。またメモリバス幅はこのクラスの製品では珍しい128bit、メモリ帯域も288GB/sに制限され、GeForce RTX 4070の504GB/sや、GeForce RTX 3060 Ti(GDDR6版)の448GB/sに比べるとメモリ帯域が狭いのは気になるところ。
ただし、NVIDIAによればAda Lovelaceアーキテクチャでは、先代のAmpereアーキテクチャや先々代のTuringアーキテクチャに比べてL2キャッシュが大容量化され、キャッシュヒット率が大幅に改善。これにより実効帯域は554GB/sに達するという。さらにVRAMへのアクセス頻度が抑えられるため、電力効率を改善する効果も期待できる。
L2キャッシュ4MBのGeForce RTX 3060 TiやGeForce RTX 2060 SUPERでは、キャッシュヒット率が低く、ビデオメモリへのアクセスが頻繁に発生する |
L2キャッシュ32MBのGeForce RTX 4060 Tiでは、キャッシュヒット率が劇的に向上。ビデオメモリへのアクセスが低下し、パフォーマンスが向上するとともに、消費電力を抑えることができる |
そして最新超解像技術「DLSS 3」に対応しているのも大きな特徴。特にAIを使ったフレーム生成機能による効果は大きく、対応するゲームでは劇的にフレームレートを引き上げることができる。さらにNVIDIAではビデオメモリの使用量を抑えながら高解像度表示ができる最新テクスチャ機能「Neural Texture」の開発も進めており、さらに性能が向上する可能性もある。
主なスペックはベースクロック2,310MHz、ブーストクロック2,535MHz、メモリスピード18Gbps、ビデオメモリはGDDR6 8GB。バスインターフェイスはPCI Express 4.0(x8/x16形状)、TGPは160W、ゲームプレイ時の平均消費電力は140W、Founders Editionの電源コネクタは12VHPWR×1で、メーカーのオリジナルモデルではGeForce RTX 4070と同様、一般的な8pinコネクタを採用する製品も用意されている。
GeForce RTX 4060シリーズには、今回の主役であるGeForce RTX 4060 Ti 8GBの他、GeForce RTX 4060 Ti 16GBとGeForce RTX 4060の3モデルのバリエーションがラインナップ |
なお国内価格は税込69,800円からとされ、バリエーションモデルとして、ビデオメモリを16GBに増量した「GeForce RTX 4060 Ti 16GB」(国内価格税込88,800円から)と、CUDAコア数3,072基の下位モデル「GeForce RTX 4060」(国内価格税込52,800円から)も7月より発売が開始される予定だ。