エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1296
2023.06.02 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
まずは純粋なCPUのパフォーマンスを検証するため、定番のレンダリングベンチマーク「CINEBENCH」系のテストから。「CINEBENCH R15」「CINEBENCH R20」「CINEBENCH R23」を動作させた際のスコアを見ていこう。
どのテストでもミニPCらしからぬパワフルなスコアをマーク。最大5.0GHzの高クロック動作に対応していることもあり、シングルスレッド性能はデスクトップ向けCPUと比べてもかなりの高水準だ。マルチスレッド性能の方は、テスト時間の短い「CINEBENCH R15」では第12世代のデスクトップ向けCore i7/Core i5に匹敵。「CINEBENCH R20」と「CINEBENCH R23」では、高スコアながらもCore i7-13700H搭載機としてはやや控えめな結果だった。
その理由を確かめるため、10分間連続でテストを実行する「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:10 minutes」を動作させてみた。
そうすると、CPU温度がテスト冒頭で100℃近くまで上昇しサーマルスロットリングが発生。2.6GHz程度までクロックを落とすことで、発熱を抑えつつ動作していることが分かった。さすがに搭載環境の制限が大きすぎるため、最大性能を継続的に発揮することは難しいようだ。
続いては、やはりCPUのパフォーマンスを検証するため、「3DMark」が搭載するCPUベンチマークソフトの「CPU Profile」を実行する。最大スレッド数/16/8/4/2/1スレッドの6つのテスト行程により、用途別のポテンシャルをチェックするベンチマークテストだ。
最大限にCPU性能を発揮する最大スレッドテストからシングルスレッドテストに至るまで、ミニサイズのPCとは思えない高スコアだ。ただしリザルト画面のスコア下に表示されているバーを見ると、同型番CPUの平均スコアと比較して、ほとんどのテストで下回っているのが分かる。
最大スレッドテストに加えて、デジタルコンテンツ制作などへの影響を計る16スレッド、重めのゲームなどに影響する8スレッド、DirectX 9ベースの古めなゲーム性能に影響する4スレッドのテストが特に差が大きい。これらはテスト動作時の負荷が大きいためサーマルスロットリングが発生し、クロックが低下しているためと思われる。
かなり高性能であるのは間違いないものの、ヘビーなタスクではミニマム筐体による熱処理の影響は避けられないというわけだ。