エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1297
2023.06.09 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
3DCGやCADアプリケーションといったOpenGL系の処理に最適化されているRadeon PROシリーズだが、GPUの性能を把握するため、定番の3Dベンチマークソフト「3DMark」をチェックしていこう。まずはレイトレーシングの処理性能を確認できる「Port Royal」からだ。
Radeon PRO W7000シリーズでは、RDNA 3アーキテクチャを採用していることもあり、Radeon RX 6800に比べるとRadeon PRO W7800で約30%、Radeon PRO W7900では約67%と大幅にパフォーマンスが向上している。特にRadeon PRO W7900は、以前検証をお届けしたRadeon RX 7900シリーズとの比較でもRadeon RX 7900 XTを超えるパフォーマンスを発揮しており、プロ向けのグラフィックスカードながら、レイトレーシング対応ゲームやアプリケーションでも優れた性能が期待できる。
続いてレイトレーシングやメッシュシェーダー、可変レートシェーディング、サンプラーフィードバックなどの機能を備えた最新API DirectX 12 Ultimateを使用する「Speed Way」の結果を確認していこう。
スコアの傾向は「Port Royal」とほぼ同じ。Radeon RX 6800に比べるとRadeon PRO W7800は約24%、Radeon PRO W7900では約70%の差が付き、RDNA 3アーキテクチャを採用したメリットがスコアにもしっかりと現れている。またRadeon PRO W7900とRadeon PRO W7800を比較するとその差は約37%で、ほぼストリームプロセッサ数に準じた結果になった。
続いて、Radeon PRO W7000シリーズではあまり使うことはないだろうが、ラスタライズ関連の性能も確認しておこう。まずはAPIにDirectX 12を使用する「Time Spy」からチェックを進めていく。なおプリセットは「Time Spy」と「Time Spy Extreme」の両方で計測を行った。
いずれのプリセットでもRadeon RX 6800に比べると、Radeon PRO W7800は20%以上、Radeon PRO W7900は60%近くも上回るスコアを叩き出し、本来はOpenGLに最適化されているRadeon PROシリーズながら、ラスタライズ性能もかなり優秀であることがわかる。またRadeon PRO W7800とRadeon PRO W7900の差は約30%で、「Speed Way」に比べると縮まっているものの、依然として性能差は大きい。