エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1312
2023.07.15 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
製品の概要を把握したところで、ここからは「PRO B760M-P DDR4」の詳細チェックを進めていこう。まずはPCの安定動作を司る電源回路から確認する。
Intel B760チップセットマザーボードの中でもエントリークラスに位置づけられる製品ということで、電源回路は合計8フェーズと控えめ。またMOSFETには現在主流のDrMOSではなく、ハイサイドMOSFET、ローサイドMOSFET、ドライバICを組み合わせたクラシカルなスタイルを採用する。ただし、MSIの独自デジタル電源回路設計「Core Boost」により、CPUが必要とする電力を歪みなく、素早く提供することで安定動作を可能にしている。
なお電源回路には冷却用ヒートシンクが搭載されていないため、CPUクーラーにはリテールクーラーのようなトップフロータイプを選択するといいだろう。
計8フェーズの電源回路。その内7フェーズ分のドライバICは基板の裏面に実装されている |
各フェーズのMOSFETには30V/55A対応のSinopower「SM4337」と、30V/80A対応のSinopower「SM4503」を搭載 |
補助電源コネクタは8pin×1 | デジタルPWMコントローラは8+1フェーズまでサポートするRichtek「RT3628AE」 |
チップセットには、LGA1700向けミドルレンジ「Intel B760」を採用する。最上位のIntel Z790からはCPUのオーバークロック機能や、PCI Expressのレーン分割機能が省略されているが、一般的な使い方であれば影響はほとんどないだろう。ちなみに、メモリのオーバークロック機能はサポートされているため、お手頃なDDR4-3600クラスのオーバークロックメモリを組み合わせてみるのもいいだろう。
チップセットには約35mm角の小型ヒートシンクが2本のプッシュピンで実装されている |
LGA1700プラットフォーム向けミドルレンジチップセットIntel B760。Intel Z790に比べるとPCI Expressレーン数(合計28→14レーン)やUSBポート数(合計14→12ポート)も削減されている |