エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1312
2023.07.15 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
今回はリテールクーラーを使用しているため、あまり無理をせず「Boxed Cooler」と「Tower Air Cooler」の2種類の設定で動作を確認した |
MSIのLGA1700向けマザーボードには、搭載しているCPUクーラーに合わせて最適なリミット値を設定する「CPU Cooler Tuning」が用意され、定格クロックの範囲内でCPUの性能を調整できる。そこで今回はIntelの公称設定に近いPL1=65W、PL2=148Wの「Boxed Cooler」と、PL1=135W、PL2=150Wの「Tower Air Cooler」を選択し、パフォーマンスにどのような影響があるのか確認してみることにした。
「Boxed Cooler」設定時の「HWiNFO64 v7.50」の結果 | 「Tower Air Cooler」設定時の「HWiNFO64 v7.50」の結果 |
まずは純粋なCPU性能をチェックするため「CINEBENCH R15/R20/R23」の3種類のベンチマークの結果を確認していこう。
負荷の軽いシングルコアテストでは、Package Powerが65Wを超えることがないためスコアに全く変化はなし。またマルチコアテストでも「CINEBENCH R15」はテスト時間が短く、PL2の設定時間内に処理が完了するため「Boxed Cooler」「Tower Air Cooler」ともPackage Power約100W、Pコアクロック4.0GHz、Eコアクロック3.2GHzで動作し、スコアにも変化はなかった。
「CINEBENCH R20」でもシングルコアテストはスコアに違いなし。ただし、マルチコアテストでは「Boxed Cooler」だとテストの後半にPackage Powerが約65W、Pコアクロックが3.6GHz、Eコアクロックが2.9GHzまで低下するため、「Tower Air Cooler」の方が約5%高いスコアを記録した。
最後に「CINEBENCH R23」を確認していこう。これまでのテストと同様、シングルコアテストは大きな違いなし。一方、マルチコアテストでは「CINEBENCH R20」よりテスト時間が長いため、その差が約15%に広がっている。ここまでの結果を見る限り、動画のエンコードや3Dレンダリングなどの処理をCPUで行う場合には、「Tower Air Cooler」を選択するのがオススメだ。