エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1313
2023.07.18 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
冒頭触れたように、今回取り上げる「HAF 700」にはその元となる「HAF 700 EVO」(型番:H700E-IGNN-S00)が存在している。そしてその詳細レビューをお届けしたのは2022年7月12日だからちょうど1年前だ。
Cooler Master「HAF 700」(型番:H700-IGNN-S00) 市場想定売価税込48,980円(2023年6月23日発売) 製品情報(Cooler Master Technology) |
HAF 700 EVOとHAF 700は兄弟であり、共通のシャーシを使用している。バリエーションモデルを検証する事は希だが、事前に用意された資料に目を通すと、”まるっきり同じではない”ことが分かってくる。
確かに一部で間違い探しのような要素はあるものの、同じ方向を向いた製品の新たな発見や、HAF 700という存在の意義を見つけることはできそうだ。そして新作HAF 700をより深く知るためには、この時点で(未読の方に限り)HAF 700 EVOの検証記事を是非ご一読頂く事をオススメしたい。
ちなみに、HAF 700 EVOの市場想定売価は税込55,980円。今回取り上げるHAF 700は税込48,980円とされる。不安定な為替の影響を鑑みても、両者の立ち位置を明確にすべく、価格差7,000円は、ずいぶんと内容が異なる事が想像できる。
既存モデル「HAF 700 EVO」(型番:H700E-IGNN-S00)は2021年6月10日より販売がスタート。HAF 700は共通筐体ながら、フロントパネルデザインを筆頭に細部で変更が加えられている |
HAF 700の評価機が到着し、真っ先に1年前の記憶を思い起こさせたのは、巨大PCケースを収納する輸送ケース=外装パッケージのスタイルだ。
空の状態で24.7kgもあったHAF 700 EVOは、Cooler Masterのコーポレートカラーである紫基調のパッケージに詰め込まれ、上下各2辺には頑丈な角あてを装着し、これをPPバンドで固定された状態で発送される。
実機到着前に「HAF 700 EVO」の記事を振り返ると、角当て付きの厳重な梱包であった記憶が蘇る。今から足腰を鍛えておかなくちゃ |
詳細については検証記事の冒頭に画像付きで詳しく触れているが、HAF 700もまったく同じ梱包スタイル。底面に近いラインには左右にプラスチック製のクリップが装着され、これをリリースすることで、パッケージの台座とその上に載せられた本体だけを残し、上部および外周がすぽっと上方向に外れる仕組み。自重があるだけに当然だろうが、これほどの頑丈な外装パッケージはそう目にする事はない。
実機に触れる前に、HAF 700のスペック表を確認してみたい。まず外形寸法は幅が279mm、奥行きが556mm、高さが540mmとされる。エルミタの独自基準では1辺が500mm以上で「大型PCケース」としているが、奥行きと高さはこの数値を優に超えている。また幅の279mmもかなりのインパクトで、通常のミドルタワーPCケースがおよそ240mm以下に収められていることから、いかにもアッパークラスの筐体である事が分かる。
なおパッケージも当然大型で、幅399mm、奥行き780mm、高さ725mm。付属品および緩衝材を含めた総重量は24.50kgにも達する。HAF 700 EVOが29.40だから4.9kg”軽量化”されたことになる。そもそも在庫店舗も限られるHAF 700だが、持ち帰りを希望する場合は大型カートの準備は必須。参考までにヤマト運輸で関東から関東へ発送した場合、200サイズ(30kgまで)に該当するため、料金は税込3,720円となる(2023年7月現在)。近年、どれをとっても価格が高騰しており、輸送費も例外ではない。購入におけるコストを抑えるには、どの方法が最良か、きちんと見極める必要がありそうだ。