エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1313
2023.07.18 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
これだけの大型PCケースなら、DIY水冷の構築を考える人は少なくないだろう。内部空間はもとより、ツールレスマルチブラケットはポンプやリザーバーの搭載も想定されているし、なにより長尺ラジエーターが搭載できる。条件が揃っていることで、DIY水冷デビュー用としても広く扱い易いかもしれない。
とは言え、本稿ではオールインワン型水冷ユニットで手軽に高冷却システムを構築する事にした。用意したのは7月14日より販売が開始された新作、Cooler Master「MasterLiquid 360L Core ARGB」(型番:MLW-D36M-A18PZ-R1)だ。型番からも分かるとおり360mmサイズラジエーターを備え、新型デュアルチャンバーポンプを搭載。製品資料によると、ラジエーターのフィン面積は従来機種より拡大され、冷却性能が向上されているという。今回はブラックだが、ホワイトカラーのバリエーションも同時に発売されている。
カラーバリエーションのホワイトモデル「MasterLiquid 360L Core ARGB White」(型番:MLW-D36M-A18PZ-RW)。HAF 700はブラックだが、白黒の組み合わせも似合うだろう |
本稿で取り付け方法や製品の善し悪しに触れることはしないが、HAF 700の広い内部での居住性は言うに及ばず、マザーボード右横(サイド)に取り付けた360mmサイズラジエーターは決して大きく見えないところが、各パーツの居住空間が良好である事を意味する。なお360mmサイズラジエーターはトップパネルにも固定できるが、MasterLiquid 360L Core ARGB搭載の120mm ARGBファンの発光を楽しむには、強化ガラス採用の左サイドパネルに正対する場所がいいだろう。
「S世代デュアルチャンバーポンプ」を採用するウォーターヘッド。寸法は81x76x47mmで、ポンプ寿命(MTTF)は最大70,000時間とされる。なお騒音値は最大12dBAで静音性も十分に確保されている |
チューブ長は一般的なオールインワン型水冷ユニットのそれだが、マザーボード右側にストレスなく設置できている。なおケーブルは120mm ARGBファンの真横にあるグロメット付きスルーホールを通すため、ほとんど露出がない |
ラジエーターは右側面から計12本のネジで固定。ネジ穴はスリットタイプなので、ラジエーター固定位置の微調整ができる |
Cooler Masterロゴ入りのプラスチック製キャップは、抜けやすいARGBケーブルのコネクタを固定する便利な付属品。ジョイント箇所分が同梱されている |
ミニマルデザインが特徴のポンプカバーには、Cooler Masterを象徴する六角形のイルミネーションを内蔵。左サイドパネルと正対した120mm ARGBファンの発光も鮮やか |
DIY水冷の構築に考慮した仕掛けについても触れておこう。合計3枚付属するツールレスマルチブラケット(HDD/SSD/ポンプ/リザーバー)には、水冷ポンプおよびリザーバーが搭載できるネジ穴が用意されている。ネジピッチは縦50/64mm、幅35/50mmで、リザーバーを固定するU字型のホルダー等の固定にも利用できる。なお、製品マニュアルには搭載例が複数掲載されているので、ここに抜粋してご紹介しよう。
ツールレスマルチブラケット(HDD/SSD/ポンプ/リザーバー)は文字通りマルチに活躍。ただしストレージとはトレードオフの関係にある事を頭に入れておこう |
底面のラジエーター/ファンブラケットを使った搭載例 |