エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1319
2023.08.04 更新
文:撮影・藤田 忠
Ryzen 7040 HSシリーズとRazer Blade 14の概要に続いては、8コア/16スレッドかつ最高5.4GHzで動作するRyzen 9 7940HSのパフォーマンスを確認していこう。
Razer Blade 14は「Razer Synapse」の「PERFORMANCE」でパフォーマンスをカスタマイズできる。今回はデフォルトの「Balanced」の状態に加え、「Custom」でCPUパフォーマンスを引き出す「Boost」に設定してパフォーマンスをチェックしている。なお、両モードで「CINEBENCH R23」を実行した際の「CPU Package Power」(「HWiNFO64 Pro」読み)を確認すると、「Balanced」モードは最高で約60Wだったが、「Boost」モードは約90Wまでアップし、CPU温度も100℃に達していた。
「Custom」「Plugged In」では、CPUとGPUなどの動作モードをカスタマイズできる |
「CINEBENCH R23」実行時の「Balanced」(左)、「Boost」(右)の「HWiNFO64 Pro」 |
まずはレンダリング系ベンチマーク「CINEBENCH」シリーズを利用して、Ryzen 9 7940HSの処理能力を確認していこう。
「Balanced」モードと「Boost」モードを比較するとマルチコアテストのスコアは、いずれも10%以上伸びており、「Boost」モードではRyzen 9 7940HSのパフォーマンスを最大限に引き出すことができている。また過去に計測したTDP65Wのデスクトップ版Ryzenと比較すると「Balanced」モードが6コア/12スレッドのRyzen 5 7600を上回り、「Boost」モードは8コア/16スレッドのRyzen 7 7700に迫るスコアとなっていた。シングルコアのスコアは若干低くなっていたが、マルチコアでの最大処理能力は、デスクトップCPUに負けないと言って良いだろう。
続いて「V-Ray 5」ベースのレンダリングベンチマークとなる「V-Ray 5 Benchmark」の結果も確認しておこう。
「CINEBENCH」系ベンチマークと同じく、「Boost」モードは「Balanced」モードから約10%スコアが伸びている。「CINEBENCH」系とは違って、「Boost」モードはRyzen 7 7700に、2,000スコア近く離されていたが、「Balanced」モードのスコアはRyzen 5 7600と並んでいた。
レンダリング系ベンチマークのラストは、3Dモデリングソフト「Blender」のベンチマークとなる「Blender Benchmark」の結果を確認していこう。ここでは、以前の計測結果と比較できるように、「Blender」のバージョンは「3.4.0」を選択。レンダリングにはCPUを選択し、サンプルは「monster」「junkshop」「classroom」を利用して計測を行った。
「Boost」モードは、Ryzen 7 7700のスコアに一歩届かなかったが、「Balanced」モードのスコアはRyzen 5 7600と、ほぼ並んでいた。また、ここまでと同じく「Boost」モードは、「Balanced」から10%~15%のスコア向上となっている。