エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1319
2023.08.04 更新
文:撮影・藤田 忠
レンダリング系ベンチマークに続いては、アプリの起動やブラウジングなど、PC全体の基本的なパフォーマンスを確認できる総合ベンチマークの「PCMark 10」で確認していこう。
主にシングルコアスレッドの性能が影響するベンチマークになるため、「Boost」と「Balanced」モードでスコアに大きな差はみられない。各テストプリセットのスコアも10,000ポイント超えと優秀なので、日常からオフィスワーク、軽い写真、動画の編集といったことをスムーズに行うことができるだろう。
Ryzen 5 7600とRyzen 7 7700の中間と言って良いCPUパフォーマンスを発揮したノート向けハイエンドAPUのRyzen 9 7940HS。ベンチマークセッションの最後は、iGPU Radeon 780Mのパフォーマンスを軽くみていこう。今回使用したRazer Blade 14はdGPU GeForce RTX 4060 Laptop 8GBを搭載しているので、OSの「デバイス マネージャー」から無効化して計測を実施した。また、テストは「Boost」モードで実行している。
なおベンチマークには、定番の「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」と、軽量級ファーストパーソンシューティングゲーム(FPS)「Tom Clancy’s Rainbow Six Siege」を使用した。
「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ」の結果から確認していこう。解像度は1,920×1,080ドット(フルHD)で、グラフィックス設定は「標準品質(デスクトップPC)」で実行した。
スコアは”非常に快適”指標の15,000ポイントの半分で、ベンチマーク中の平均フレームレートも60fpsを下回る54.09fpsとなっていたが、iGPUとしては十分なパフォーマンスだろう。4Kでのマルチモニター環境や、ブラウザーゲーム、動画視聴といったことを楽しむのに、十二分な性能を備えている。
次は「Tom Clancy’s Rainbow Six Siege」の結果を確認していこう。解像度は1,920×1,080ドット(フルHD)で、グラフィックス設定は「総合品質」、「最高」と「高」プリセットを選択している。
「最高」プリセットでも60fpsオーバーと、スムーズにプレイできる結果を出している。軽量級ゲームタイトルで、この結果は高いとは言えないが、iGPUなのを考えると、「Radeon 780M」は優秀と言える。
今回はハイエンドノート向けAPU「Ryzen 7040 HS」シリーズの最上位に位置する「Ryzen 9 7940HS」を様々な側面から検証したが、極めて満足のいく結果が得られた。「Ryzen AI」による「Windows スタジオ エフェクト」に、デスクトップ向けCPUのRyzen 5とRyzen 7の間に位置する処理能力、さらに軽量級ゲームを楽しむことができるグラフィックス性能と、魅力的なパフォーマンスを備えている。
Ryzen 9 7940HSを搭載した薄型軽量ゲーミングノートPCのRazer Blade 14 |
Ryzen 9 7940HSを搭載したPCはまだまだ少ないが、Razer Blade 14のほか、手のひらPCでお馴染みのMINISFORUMも「UM790Pro」シリーズを投入している。今後も搭載モデルは増えていくはずで、これからの展開には大いに期待したいところだ。
Ryzen 9 7940HS とRadeon 780Mのパフォーマンスは、コンパクトPCでもかなり活きるだろう |
協力:日本AMD株式会社