エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1320
2023.08.08 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
まずは3Dベンチマークソフトの定番「3DMark」から、レイトレーシングの性能をチェックする「Port Royal」のベンチマーク結果を確認していこう。
Radeon RX 7600は本来フルHD解像度をターゲットにしていることもあり、総合スコアは5,618、フレームレートも26.01fpsに留まり、WQHD解像度の高画質設定ではレイトレーシングはやや厳しい印象。超解像技術を組み合わせるか、画質を調整したほうがいいだろう。また以前検証したNVIDIA GeForce RTX 4060と比較すると約7%下回る。
続いて、シーン全体をレイトレーシングで描画する「3DMark DirectX Raytracing feature test」の結果も確認しておこう。
「3DMark Port Royal」よりさらに重いベンチマークということで、フレームレートは20.15fpsに留まる。ちなみにNVIDIA GeForce RTX 4060と比較すると約75%の性能にとどまり、レイトレーシングについてはGeForce RTX 40シリーズの方が優位なことがわかる。
続いてレイトレーシングの他、メッシュシェーダーや可変レートシェーディング、サンプラーフィードバックなどの機能を備えた最新API DirectX 12 Ultimateを使用する「Speed Way」の結果を確認していこう。
スコアの傾向は「DirectX Raytracing feature test」に近く、Graphics testのフレームレートは約20fps。テスト中の動画はコマ落ちなどなく滑らかに再生できているが、やはりレイトレーシングなどの最新APIを使う場合はWQHD解像度はやや厳しい印象だ。
続いて一般的なゲームで使用されているラスタライズ性能を確認していこう。まずはAPIにDirectX 12を使用する「Time Spy」のスコアからだ。なおプリセットは「Time Spy」と「Time Spy Extreme」の両方で計測を行った。
ラスタライズ系のベンチマークについては優秀で、4K解像度のTime Spy ExtremeでもGraphics Scoreは5222、フレームレートは30fpsを超えている。さらにWQHD解像度のTime SpyではGraphics Scoreは約11,000、フレームレートはGraphics test 2でも62.93fps、Graphics test 1では71.34fpsで、マルチプレイの目安になる60fpsをクリアした。さらにNVIDIA GeForce RTX 4060との比較でもTime Spyでは同等、Time Spy Extremeでは約6%高いスコアをマークした。
続いてAPIにDirect X11を使用する旧世代のラスタライズテスト「Fire Strike」のスコアも確認しておこう。なおプリセットは「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」の3種類全てで計測を行っている。
Radeon RX 7600がターゲットにしているフルHD解像度の「Fire Strike」については、処理の重いGraphics test 2でも124.33fpsで、高画質な設定でも高リフレッシュレートな液晶ディスプレイの性能を十分に引き出すことができる。またWQHD解像度の「Fire Strike Extreme」でもGraphics test 2で56.26fps、Graphics test 1では75.19fpsで、マルチプレイでも問題ない性能を発揮する。そしてNVIDIA GeForce RTX 4060との比較では「Fire Strike」や「Fire Strike Extreme」では約13%、「Fire Strike Ultra」では約27%も高いスコアを記録しており、DirectX 11環境ではRadeon RX 7600が強さを発揮する。