エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1321
2023.08.10 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
NX500M ARGBは良好な拡張性が特徴のミニタワーPCケースだが、本格水冷構築は想定されていない。そこで今回のシステムには、2022年12月に発売されたAntec「Vortex 240 ARGB」を用意した。ラジエーターは長さ277mm、幅120mm、厚さ27mmのアルミニウム製。搭載ファンはRGB SYNCに対応する「Antec Fusion PWM ARGBファン」(600~2,000±10rpm/最大57.93CFM/最大31.24dBA)で、ブレードではなくその外周に16個のLEDを搭載し、PCケース内部をイルミネーションで彩る。
さらにウォーターブロックは「Suspended Spiral Pump Head Design」と呼ばれるイルミネーションを備え、渦をイメージした発光が特徴。ウォーターチューブはEPDM高密度チューブで、実際に触れると比較的硬質でしっかりとした印象。今回はこれをトップパネル部の空きスペースにマウントした。
実測でおよそ300mmを少し切るトップパネル部のラジエーター搭載スペース。ここに長さ277mmの240mmサイズラジエーターは収める事ができた。ただし問題はラジエーターの搭載用のネジ穴にある。マグネット固定式ダストフィルターを外すと露わになる通気孔と、その合間に装備される冷却ファン用固定穴は、現在主流のスリットタイプではなく、丸穴が採用されている。つまりラジエーターまたは冷却ファンの固定位置は決め打ちになっている。
ラジエーターの固定は、このネジ穴を利用する以外に選択肢はないが、ちょうどマザーボード上部のATX補助電源コネクタと接続したケーブルに冷却ファンが干渉。NE850G M ATX 3.0のケーブルを、かなり曲げた状態で固定しなければならなかった。
これは丸穴であることはもとより、搭載位置を左サイドパネル側にずらせば解決できただろう。トップパネル部を見直したところで、左サイドパネル側には140mmファン用のネジ穴しか用意がない。ちょっとした事かもしれないが、240mmサイズラジエーターの固定位置はできる限りマザーボードよりも離れていた方がいい。多くの購入者がトップパネルを利用した水冷構成を試みるであろう事を思えば、やや配慮に欠けた部分であり、要改良箇所のひとつと言わざるを得ない。