エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1322
2023.08.12 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
続いて、消費電力をチェックしていこう。ストレステストには「3DMark Speed Way Stress Test」を使い、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として計測を行った。
アイドル時の消費電力は96.1W、高負荷時は339.4Wで、最近のミドルレンジグラフィックスカードとしてはいずれもやや高め。とは言え、CPUとGPUが同時にフル動作する場合でも公称推奨容量である650Wあれば十分に賄える計算で、電源ユニットの選択に苦労することはないだろう。
テストセッションのラストは「SPARKLE Intel Arc A750 TITAN OC Edition」に実装されているオリジナルトリプルファンクーラーの冷却性能をチェックしていこう。なお消費電力の計測と同じく、ストレステストには「3DMark Speed Wary Stress Test」を使用している。
ファン回転数は1,900rpm前後、GPU温度はおおむね65℃前後、最高でも68℃までしか上がらず、オリジナルトリプルファンクーラーの冷却性能は非常に優秀。また騒音値も40dBAを超えることはなく、高負荷時でもノイズが気になることはないだろう。
今回は、SPARKLEブランドとしては約10年ぶりとなるコンシューマ向けグラフィックスカード「SPARKLE Intel Arc A750 TITAN OC Edition」の検証を進めてきた。「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」のように、未だ最適化が不足しているものも一部あるが、テスト中に映像が乱れたり、ゲームが起動しないといったことはなく、昨年9月に検証したIntel Arc A380のときに比べると、Intel Arcシリーズのドライバはだいぶ成熟してきている。
そしてパフォーマンスも、3DMark系のベンチマークではRadeon RX 7600やGeForce RTX 4060と同等かそれ以上。実際のゲームでもミドルレンジグラフィックスカードがターゲットにしているフルHDやWQHD解像度までなら十分なフレームレートを発揮することができている。それでいてGeForce RTX 4060やRadeon RX 7600よりも4,000円以上も安価に購入できることからコストパフォーマンスは優秀。さらに初回入荷分には2本のゲームと3本のアプリケーションが付属しておりお買い得感はかなり高い。
ミドルレンジのグラフィックスカードとしてはやや消費電力は高めだが、大型のトリプルファンクーラーのおかげで冷却性能や騒音も問題なし。WQHD解像度までのゲーミングPCや、AV1エンコーダーをコストを抑えつつ利用したいなら「SPARKLE Intel Arc A750 TITAN OC Edition」は良い選択肢だ。また本体サイズが問題になる場合には、同時に発売が開始されたデュアルファンクーラーモデル「SPARKLE Intel Arc A750 ORC OC Edition」を選択するといいだろう。
協力:SPARKLEブランド
株式会社アユート