エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1323
2023.08.14 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
まずは純粋なCPUのパフォーマンスを検証するため、定番のレンダリングベンチマーク「CINEBENCH」系のテストから最も処理時間の短い「CINEBENCH R15」の結果を確認していこう。
さすがにイマドキの最新CPUと比較するのは酷だが、TDPわずか6Wながら瞬間的には最高3.4GHzまでクロックが向上することもあり、シングルコアテストは127cbとなかなかの高スコア。Gemini Lake世代の省電力プロセッサCeleron N4100からは2倍以上、データベースの結果を確認すると初代RyzenのエントリーモデルRyzen 3 1200を上回る。
またマルチコアテストでは、シングルコアテストに比べるとクロックが低下すること、さらにHyper Threadingにも非対応のため、シングルコアテストからの伸びは2倍強にとどまる。とは言え、データベースの結果を確認するとCeleron G4900TやCeleron G 3900Tを上回り、Celeron N4100との比較では1.5倍以上の差をつけている。
続いて「CINEBENCH R15」より処理が重く、テスト時間も長い「CINEBENCH R20」のスコアを確認しておこう。
シングルコアテストは280ptsで、Celeron N4100を約1.8倍も上回るスコア。もともとAtom系の省電力CPUが苦手としていたシングルスレッド性能はAlder Lake-Nでは大幅に改善していることがわかる。またマルチコアテストの結果は、「CINEBENCH R15」よりも処理時間が長く、PL1での動作が中心になることからシングルコアから約1.5倍にとどまる。
続いてメニーコアCPUへの最適化が進んでいる最新バージョン「CINEBENCH R23」のスコアを確認しておこう。
シングルコアテストは734ptsで、CINEBENCH R23のソフトウェアに登録されているスコアとの比較ではCore i7-4850HQ(750pts)とほぼ同等。実際にPCを操作していてもファイル・フォルダの開閉や、アプリケーションの起動もスムーズで、ストレスなく作業を行うことができた。またマルチコアテストについてはやはりPL1での動作時間が長くなることもあり、シングルコアテストの約2倍とコア数の差に比べると控えめなスコアになる。