エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1323
2023.08.14 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ベンチマークセッションのラストはファンレスモデルということで気になるCPUの温度と、消費電力について確認していこう。なおストレステストには「CINEBENCH R23: 10 minutes」を使用している。
テスト開始直後はPackage Powerが最大約12W、コアクロックも3.1GHz前後まで上昇するため、CPU温度(Core Temperature)も瞬間的に最高74℃を記録した。しかし、PL1動作になるとPackage Powerは約6W、コアクロックは1.6GHz前後で推移する。CPU温度も60℃を超えることはなく、ファンレス駆動でも冷却性能にはまったく不安はない。
そして注目の消費電力だがアイドル時は7W、PL1動作なら高負荷時でもわずか14Wに留まる。これは100W相当のLED電球とほぼ同じで、省電力性についてはまさに圧倒的と言っていいだろう。
今回は高効率コア「Eコア」のみで構成されるIntel N100を搭載した「ASUS ExpertCenter PN42」の検証を進めてきた。さすがに最新のCPUとは比ぶべくもないが、これまでいわゆるAtom系のCPUが苦手にしていたシングルスレッド性能は大幅に向上。ファイルやフォルダの開閉、アプリケーションの起動などでワンテンポ遅れて反応するといった感じは一切なくなっていた。
また計3ポートのUSB 3.2 Gen 2や、2.5ギガビットLAN、Wi-Fi 6Eといった高速なインターフェイスが充実しているのも特徴。USB Type-CポートがUSB PD給電に対応していればなお良かったが、一般的な用途でインターフェイスに不足を感じることはないだろう。
そして、ファンレス駆動による完全無音動作と、圧倒的な省電力性も大きな魅力。特に常時起動しておくPCにはまさにうってつけの存在だ。また現在販売されているのは完成品だが、メモリやストレージを自由に選択したいというニーズもあるはず。今後はベアボーンキットとしての提供にも期待したい。
協力:ASUS JAPAN株式会社