エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1325
2023.08.18 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
まずは多彩なテストプリセットを備える、ストレステストの大定番「OCCT」の最新バージョン「OCCT 12.0.10」を使用した検証から始めよう。プリセットはCPUとGPUの両方に最高レベルの負荷をかける「Power」を選択し、30分間のテストを実行。通常の使い方ではまずここまで達することはないであろう強力な負荷に対して、どのような挙動を見せてくれるだろうか。
なお「OCCT」実行時の消費電力は、最大869Wまで達していた。さすがはウルトラハイエンド級パーツの組み合わせだが、それでも1650W電源である「STP-1650M」にとっては、最大効率で電力変換を行える負荷率50%をわずかに超える程度。こうした構成の最大負荷こそ、「STP-1650M」にとって理想的な動作環境というわけだ。
ATX 3.0規格のデザインガイドでは12Vは+5%/-7%の変動が許容されており、その範囲で動作していればATX 3.0対応の電源ユニットとしては合格ということになる。しかし「STP-1650M」の場合は、最も変動幅の大きかった12VHPWRでも最大1.3%の下振れに留まった。しかも強力な負荷が継続するテスト中、常に一貫した電圧を維持できている点も好印象。格安モデルとは思えない安定性の高さだ。
そしてほぼ一定の出力を維持できているのはATXとCPUも同様で、目立った動きがあるのはテスト開始・終了の際のみ。ウルトラハイエンド構成のパーツをフル稼働させるようなシチュエーションでも、安定した動作が期待できる。
続いてはヘビーな3D描画シーンにおける「STP-1650M」の信頼性を確かめるため、3Dベンチマークテスト「3DMark」を動作させる。テストプリセットはGeForce RTX 40シリーズの性能を最大限に発揮できると謳われている、最新のDirectX 12 Ultimateに対応する「Speed Way Stress Test」だ。先ほど同様、テスト時間は30分間に達するまでループで実行している。
ちなみにフルロード時における消費電力は、先ほどからやや落ち着いた最大643W。これでも一般的なベンチマークテストとしては十分な数値だが、「STP-1650M」にとっては負荷率40%未満に過ぎない。
それぞれの電圧変動は「OCCT」と似通ったパターンになっているようだ。最も変動幅の大きい12VHPWRでも1.2%ほどの下振れであり、すべての計測箇所においてストレステスト中は0.01V幅の変動を繰り返すのみ。ほとんど同じ電圧を常時維持できていることが分かる。グラフィックス中心のパワフルな負荷がかかる環境でも、システムの挙動に動揺は見られない。