エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1327
2023.08.23 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
パッケージから本体を取り出し、「FUMA3」の外観デザインからチェックを開始しよう。画像を見ずに「FUMA3」を説明するならば、「厚さが違う2つのヒートシンクと6本のヒートパイプで構成し、そこに厚さの違う120mmファン2基がマウントされた、ハイエンド志向のサイドフロー型CPUクーラー」だろうか。こう並べてみるとありがちな製品だが、もちろんそうではないのがFUMA3だ。
風魔弐からの外観上の大きな違いは搭載ファンのカラーと、トップカバーだ。冷却ファンについては後ほど触れるが、トップカバーは黒塗装の放熱フィンがサンドブラスト仕上げのプラスチック製カバーに変更されている。放熱フィン最上部がカバーされることで、貫通したヒートパイプの露出もなくなり、全体にスッキリとしたイメージだ。性能面での違いは正直分からないが、少なくとも強化ガラス採用のPCケースへの搭載を意識した、ドレスアップの効果はあるだろう。
2基の冷却ファンを取り外し、ツインタワー形状のヒートシンクをじっくり観察しよう。アルミニウム製放熱フィンはサイズオリジナルCPUクーラー共通の0.4mm厚フィンを採用。サイズによると、熱伝導率を高める効果に加え、ヒートシンク自体の剛性にも貢献しているという。
もう少し細部を確認していくと、マザーボードへの搭載後、メモリ側に位置する幅の狭いヒートシンクは実測で約28mm(最大部)、バックパネル側に位置する幅の広いヒートシンクは実測で約55mm(最大部)。放熱フィン枚数は52枚とされているが、ヒートシンク下部はマザーボード周辺のヒートシンク等を避けるため、面積の小さなヒートシンクになっている。具体的には面積が広いメインヒートシンクが46枚、小さなヒートシンクが6枚で1つのブロックが構成されている。
また「オフセットデザイン」についても触れる必要があるだろう。真上(または真下)から眺めるとよく分かるのは、メモリ側にマウントされる面積の狭いヒートシンクに掛かるように受熱ベースプレートがレイアウトされている。このように、ヒートシンクを後方にずらすことでメモリスロットクリアランスを確保し、物理的干渉を避けている。
右手がメモリスロット側、左手がバックパネル側。受熱ベースプレートの中心部からヒートシンクが後方にオフセットされている事が分かる |
サンドブラスト仕上げのプラスチック製カバーにはサイズのロゴが装飾されている |