エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1327
2023.08.23 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
ここからは「FUMA3」を実際にPCに組み込み、気になる冷却性能をチェックしていこう。まずは第13世代Intel CoreプロセッサのハイエンドモデルCore i7-13700からだ。組み合わせるマザーボードはASRock「Z790 Steel Legend WiFi」で、インタラクティブUEFIの「CPU Cooler Type」は「360-420mm Liquid Cooler」を選択。ストレステストは「OCCT 12.0.12:CPU:データセット大」と「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」を使い、CPU温度はCPU Packageの数値を、騒音値はデータログ機能を備えた騒音計アズワン「TM-103」をCPUクーラーから30cmの距離に設置して計測を行った。
空冷CPUクーラーの中でもハイエンドモデルということで、UEFIの「CPU Cooler Type」は「360-420mm Liquid Cooler」を選択 |
Processor Base Powerが65Wに設定されているCore i7-13700だが、CPUクーラーや電源回路次第では高クロック動作を維持できる |
「CPU Cooler Type」から「360-420mm Liquid Cooler」を選択するとPL1、PL2とも265Wに設定される |
まず「OCCT 12.0.12」の結果を確認すると、テスト中のPackage Powerは145W前後と155W前後が交互に切り替わる。CPUの温度もそれに合わせて約2℃変化しているが、155W前後で動作している場合でも約81℃、突発的に温度が上昇するシーンでも最高90℃で、CPUが許容する最高温度である100℃までは余裕がある。
そしてさらに負荷の高い「CINEBENCH R23」では、Package Powerは約170Wまで上昇している。それでもCPU温度は87℃を超えることはなく、「FUMA3」ならCore i7-13700のPower Limit制限を解除した状態でも冷却性能が不足することはないだろう。
アイドル時のファン回転数は800rpm前後、騒音値も30dBA前後で、オープンフレームPCケースでもまったく風切り音は気にならなかった。また高負荷時のファン回転数を確認すると、いずれのテストでも公称最高値である1,500rpmまで上昇している。ちなみにノイズレベルは42dBA前後で、さすがに静音というわけではないが、耳につく高音成分が少ないこともあり、それほど耳障りに感じることはなかった。