エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1327
2023.08.23 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
テストセッションのラストは、サーモグラフィの結果をチェックしておこう。CPUはCore i7-13700(360-420mm Liquid Cooler」に設定)で、ストレステストは「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」を使用している。
アイドル時のサーモグラフィ結果 |
高負荷時のサーモグラフィ結果 |
アイドル時、高負荷時ともヒートパイプ部分の温度は明らかに周辺のヒートシンクより高くなっており、CPUから発生した熱がヒートパイプを伝って移動していることがわかる。またヒートシンクの下側の方が上側より黄色や赤色の部分が多く、CPUに近いほど温度が高い順当な結果になった。
近頃のサイズは、自社オリジナルCPUクーラーに飽き足らず、be quiet!やPCCOOLER、Noctua、JIUSHARKなど、多くの海外メーカーを取り扱っている。本来ライバルとなるべきところだが、そこは同社の柔軟性。決して全製品を扱うではなく、良いものを選別して市場に提供するといったスタンス。冷却へのこだわりは人一倍強い。
とは言え、長くサイズの製品に触れてきた筆者としては、オリジナルCPUクーラーの新作はひとつの楽しみでもある。その理由はこれまでの進化を実感できるから。新製品が出るごとにサイズ・S氏による熱心なレクチャーを受け、主に改良部分の有効性を意識しながら実際にベンチマークテストを実施する。進化の過程を知ることは、単にターゲットの善し悪しを見極めるだけでなく、他社製品との違いや、CPUクーラーの今を知る事にも繋がる。この作業に終わりはなく、だから自作PCは楽しい。
初代・風魔、2代目・風魔弐、そして今回の3代目・FUMA3。ここまでおよそ4年サイクルでモデルチェンジを繰り返している。この法則に従うならば、4代目FUMA4は2027年に発売されることになる。今度はどのように進化するのだろう。
機材協力:株式会社サイズ