エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1328
2023.08.26 更新
文:撮影・藤田 忠
デュアル2.5ギガビットLANを備えている「NIMBUSTOR Gen2」シリーズ。万が一、1本のネットワークケーブルに不具合が起きても、途切れない冗長化と負荷分散が行えるリンクアグリゲーションと、最大4本のネットワークを束ね、帯域幅を拡張するSMBマルチチャンネル(ベータ版)を利用することができる。
比較的、導入がしやすく、ホームユースでのメリットも大きなSMBマルチチャンネルを試してみた。構築するには最低でも5ポートの2.5ギガビット対応スイッチングハブ、恩恵を受けるPCにもデュアル2.5ギガビットLANが必要になる。ここでは、PC側にデュアル10ギガビットLANカードの「Intel X550-T2」を新たに搭載し、10GbE SFP+ 2ポート+2.5ギガビットLAN 4ポートを備えるQNAP製スイッチングハブ「QSW-2104-2S」を追加して、ネットワークを構築している。
デュアル10ギガビットLANカードを追加で搭載。速度はカードのプロパティで、2.5ギガビットに落としてリンクさせている | SMBマルチチャンネルの設定は「サービス」「SMB」にある「SMBマルチチャンネルを有効にする(ベータ版)」にチェックを入れ、「適用」ボタンを押すだけ。なお、WindowsではOS側の設定は不要だ |
SMBマルチチャンネルの適用後に、念のため「NIMBUSTOR 4 Gen2」とPC側を再起動。4台でのRAID0ボリュームのパフォーマンスを、「CrystalDiskMark 8.0.4」(データサイズ 4GiB)で確認すると、シーケンシャルはリード/ライトは、約2倍の580MB/s台に達した。
SMBマルチチャンネルの効果が、しっかりと出ている |
パフォーマンスチェックセッションの始めに行った実ファイルのコピーでも差が出ており、SMBマルチチャンネル構成前から容量5.25GBで10秒、大容量な41GBのファイルでは1分以上も短縮している。
実ファイルのコピーでも、安定して500MB/s台のパフォーマンスを発揮していた |
2台または4台の2.5/3.5インチストレージベイとともに、4基のNVMe M.2 SSDを備えることで、社内データの共有や監視ビデオの録画、管理などの他、個人情報を含んだデータの管理、大事な思い出の写真や動画の保管、Steamなどのゲームデータの保存先など、その用途の自由度が増している「NIMBUSTOR Gen2」シリーズ。パフォーマンスも2.5ギガビットLANの上限値に迫る290MB/s台(2,320Mbps)の発揮と十分だ。
用途を選ばずに使える「NIMBUSTOR Gen2」。デュアル2.5ギガビットLANでのパフォーマンスをアップも可能なところが魅力的だ |
HDDのエントリーNASと比べると、どうしても初期導入コストはアップするが、ギガビットLANの倍近い実行速度を発揮する2.5ギガビットLANに、デュアル2.5ギガビットLANを拡張するSMBマルチチャンネル、そしてNVMe M.2 SSDの増設にも対応するなど、長く使い続けられるNASに仕上がっている。初めてNASを導入する人や、NASのグレードアップを考えている人は、検討してほしい。
協力:ASUSTOR
株式会社アユート