エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1331
2023.09.03 更新
文:撮影・藤田 忠
ラジエーターの配置に制限があるため、今回はミドルタワーケースのトップに、EK-Nucleus AIO CR360 Darkの360mmラジエーターを取り付けてテストしていこう。PCケースにはフロントに2基の160mmファンを備え、静かに高エアフローを実現するLian Li「LANCOOL 216」を使用し、CPUにはCore i9-13900Kと、Ryzen 9 7950Xを用意した。
ストレステストには、CPUがフルロードされる「CINEBENCH R23」のほか、実使用に沿ったテストとして「Adobe Premiere Pro」を使ったエンコードなどを行い、そのパフォーマンスを計測する「UL Procyon Video Editing Benchmark」を実行している。まずはCore i9-13900K環境での冷却性能を確認していこう。
24コア/32スレッドCPUのCore i9-13900K。PL1/PL2は無制限の4,096Wに設定 | マザーボードは、Z790チップセットを採用するMSI「MAG Z790 TOMAHAWK WIFI」を使用 |
CPUフルロード時のCPU Package Powerは379.870Wに達していた |
ラジエーターファンとポンプの制御は、MSI「Smart Fan」でのPWM制御でテストしている |
高負荷ワークロード「CINEBENCH R23(10minutes)」実行時から確認していこう。テスト実行中の各種スコアの記録には、「HWiNFO64 Pro」を利用。CPU温度「CPU Package [°C]」、CPU消費電力「CPU Package Power [W]」、動作クロ ック「P-core 0 Clock [MHz]」「E-core 8 Clock [MHz]」、ラジエーターファンとポンプ回転数「CPU [RPM]」「PUMP1 [RPM]」を抽出している。
DIY水冷でおなじみのEKWB製オールインワン型水冷ユニットとは言え、CPU Package Powerが最高で380W近くに達し、テスト中の平均も320Wとかなり高くなっているCore i9-13900Kでは、CPU温度は最高で101℃を記録している。おもに「P-core 7」で、サーマルスロットリングが度々発生していたが、「P-core 7 Clock」のクロックが極端に遅くなるようなことはなく、「P-core 0 Clock」と同じ、5,486MHzという高クロックで推移していた。サーマルスロットリングは発生するが、ポン付け、PWM制御でCore i9-13900KをPL1/PL2無制限設定で運用できる冷却パフォーマンスを発揮している。
「CINEBENCH R23(10minutes)」実行時のCPU温度とサーマルスロットリングの発生有無。Pコアの一部でサーマルスロットリングが発生していた |
ラジエーターファンとポンプの回転数は、CPU温度が100℃に達するだけあって、全開で動作している。PCケースファンもあるので、ストレステスト中のファン動作音は、さすがにうるさいと感じる。事前チェックでは、ポンプの動作音は全開回転時でも、ほぼ気がつかないレベルと、静音性にも期待できそうだった。のちほど、PCケースファンを停止した状態で、騒音値をチェックすることにしよう。