エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1332
2023.09.06 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
AMD「Radeon RX 7800 XT」(2023年9月8日11時販売解禁) 製品情報(AMD) ASRock「RX7700XT CL 12GO」(2023年9月8日11販売解禁) 製品情報(AMD) |
これまでRDNA 3アーキテクチャを採用したGPUには、4K解像度をターゲットにしたハイエンドモデル「Radeon RX 7900」シリーズと、フルHD解像度をターゲットにしたミドルレンジモデル「Radeon RX 7600」の2極化したラインナップしかなかった。その性能ギャップを埋めるべく新たに投入されたのが、今回の主役であるWQHD解像度をターゲットにした「Radeon RX 7800 XT」と「Radeon RX 7700 XT」だ。
RDNA 3アーキテクチャでは初のWQHD解像度をターゲットにした「Radeon RX 7800 XT」「Radeon RX 7700 XT」 |
Steamのハードウェア分析によると、この1年でWQHD解像度のユーザーは実に44%も増加しているという | Radeon RX 7800 XTやRadeon RX 7700 XTなら、多くのゲームでWQHD解像度の最高画質設定でも平均60fps以上を達成できる |
GPUコアは新設計の「Navi 32」で、「Radeon RX 7900」シリーズと同様、製造プロセス5nmの「GCD」(Graphics Core Die)と、製造プロセス6nmの「MCD」(Memory Cache Die)の2種類のコアを組み合わせたチップレット技術を採用。ただし、ダイサイズはGCDが300mm2→200mm2へ、MCDが220mm2→150mm2へと小型化され、トランジスタ数も577億→281億と半分以下の規模に縮小されている。
「Radeon RX 7800 XT」と「Radeon RX 7700 XT」の登場により、Radeon RX 7000シリーズの全ラインナップが揃ったことになる |
AMDの資料によれば「Radeon RX 7800 XT」はGeForce RTX 4070、「Radeon RX 7700 XT」はGeForce RTX 4060 Tiの対抗になるという |
またキャッシュヒット率を改善した「第2世代Infinity Cache」や、AV1ハードウェアエンコーダー・デコーダー機能を備えた「メディアエンジン」、従来から2倍以上のパフォーマンスを実現する「AIアクセラレーション」、最高で8K/120Hzまで対応するDisplayPort 2.1などの機能に対応する。
上位モデル「Radeon RX 7800 XT」のスペックは、コンピュートユニット数60基、レイアクセラレータ数60基、AIアクセラレータ数120基、ストリームプロセッサ数3,840基、ゲームクロック2,124MHz、ブーストクロック2,430MHz、メモリスピード19.5Gbps、メモリバス幅256bit、ビデオメモリはGDDR6 16GB、Infinity Cacheは64MBで、TDPは263W。
Radeon RX 7800 XTとGeForce RTX 4070のパフォーマンス比較 |
先代モデルであるRadeon RX 6800 XTに比べるとストリームプロセッサ数は4,608基→3,840基へと約20%削減されており、スペックだけを見るとRadeon RX 6800(ストリームプロセッサ数3,840基)の後継に近い印象だが、実際のパフォーマンスについては後半のテストセッションで明らかにしていく。
下位モデル「Radeon RX 7700 XT」のスペックは、コンピュートユニット数54基、レイアクセラレータ数54基、AIアクセラレータ数108基、ストリームプロセッサ数3,456基、ゲームクロック2,171MHz、ブーストクロック2,544MHz、メモリスピード18Gbps、メモリバス幅192bit、ビデオメモリはGDDR6 12GB、Infinity Cacheは48MBで、TDPは245W。
Radeon RX 7700 XTとGeForce RTX 4060 16GBのパフォーマンス比較 |
先代モデルRadeon RX 6700 XTに比べるとストリームプロセッサ数は2,560基→3,456基、メモリ帯域幅も384GB/s→432GB/sへとこちらは順当にアップグレードされており、パフォーマンスには大いに期待ができる。なお「Radeon RX 7700 XT」にはリファレンスモデルが用意されておらず、今回編集部に届けられた評価サンプルはASRock「RX7700XT CL 12GO」だった。