エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1335
2023.09.15 更新
文:撮影・編集部 池西 樹
ゲームセッションのラストはオープンワールド型アクションRPGの大作「Cyberpunk 2077」のゲーム内ベンチマーク結果を確認していこう。「クイックプリセット」は“ウルトラ”で、解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類。また「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 Low Profile GDDR6」では「AMD FidelityFX Super Resolution 2.1」を“バランス”に、「GeForce RTX 4060 OC Low Profile 8G」では、「NVIDIA DLSS」を“バランス”に、「NVIDIA Frame Generation」を“オン”した状態で計測を実施した。
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 Low Profile GDDR6」では、フルHD解像度でもフレームレートは20fps以下に留まり、「Cyberpunk 2077」の高画質設定でのゲームは正直難しい。一方、「GeForce RTX 4060 OC Low Profile 8G」なら、4K解像度でも52.54fpsで、マルチプレイの目安になる60fpsまであと少し、WQHD解像度やフルHD解像度では余裕にクリアし、最高画質でゲームを楽しむことができる。
さらに「GeForce RTX 4060 OC Low Profile 8G」なら、「クイックプリセット」を“レイトレーシング:ウルトラ”にした場合でも、DLSS 3のフレーム生成機能の効果もあり、WQHD解像度までなら60fpsを上回るフレームレートを計測した。
ゲーム関連のベンチマークが一段落したところで、消費電力をチェックしていこう。ストレステストには「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使い、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として計測を行った。
アイドル時の消費電力はいずれも省電力機能が働き、50W台まで低下する。そして高負荷時の消費電力だが、やはり補助電源が必要な「GeForce RTX 4060 OC Low Profile 8G」のほうが、補助電源が不要な「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 Low Profile GDDR6」に比べて約60W増加している。ただし、パフォーマンスが概ね3倍前後アップしていることを考えれば、ワットパフォーマンス的にはかなり優秀と言っていいだろう。
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 Low Profile GDDR6」に対して圧倒的なパフォーマンスを発揮した「GeForce RTX 4060 OC Low Profile 8G」だが、ロープロファイル設計のVGAクーラーでその発熱を処理することができるのだろうか。そこでテストセッションのラストはオリジナルトリプルファンクーラーの冷却性能をチェックしていこう。なお消費電力の計測と同じく、ストレステストには「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使用している。
高負荷時のGPU温度は77℃前後、Hot Spotの温度は93℃前後で、やはりフルハイトのグラフィックスカードに比べると温度は高め。ただし、ストレステストは問題なく完走しており、冷却性能も問題ないだろう。
またセミファンレス駆動には非対応ながら、アイドル時のファン回転数は1,500rpm前後、回転率は30%前後、騒音値は34.1dBAで、風切り音は全く気にならなかった。高負荷時はファン回転数4,100rpm前後、回転率91%前後まで上昇するが、それでも騒音値は39.5dBAで頭打ち。たしかに風切り音は聞こえてくるものの、ケースに入れてしまえば気になることはないだろう。
まさに待っていたという人も多いであろうロープロファイルグラフィックスカード期待の新人「GeForce RTX 4060 OC Low Profile 8G」の検証を進めてきた。これまで最速クラスの製品だった「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 Low Profile GDDR6」と比較しても概ね3倍以上高速化されており、そのパフォーマンスはまさに圧巻の一言。さらに“実用的”なレイトレーシング性能や、最新超解像技術DLSS 3が使えるのもこれまでの製品にはない大きなメリットと言える。
カード長についてもロープロファイルモデルとしてはやや長めだが、コネクタを含めても190mm以内に収まるよう設計され、大きな問題にはならないだろう。補助電源コネクタが8pinという点さえ許容できるのであれば、「GeForce RTX 4060 OC Low Profile 8G」はスリムゲーミングPCの決定版と言えるグラフィックスカードだ。
協力:日本ギガバイト株式会社