エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1340
2023.09.30 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
Core i9-13900KのPL1/PL2=253W設定に対しても十分な冷却性能を発揮した「MAG CORELIQUID M360」。最後にPower Limitが実質無制限になるPL1/PL2=4,096Wの設定でも検証を進めていこう。
まず「OCCT 12.1.4」の結果を確認すると、Pコアクロックは5.0GHz→5.5GHz、Eコアクロックは4.0GHz→4.3GHzに上昇。ただし、Package Powerは220~250W前後までしか上がらず、CPU温度もおおむね80℃前後で推移する。
一方、「CINEBENCH R23」はCPUクロックはほぼ同じだが、Package Powerは300~330Wまで上昇し、CPU温度も許容最高温度の100℃に達してしまう。ただし、Package Powerはテスト最後まで大きく落ち込むことはなく、「MAG CORELIQUID M360」であればCore i9-13900Kの性能を限界まで引き出すことができる。
ファン回転数はいずれもフル回転の1,950rpm前後、ノイズレベルも51dBA前後まで上昇した。ちなみに「CINEBENCH R23」のスコアを確認してみたところ、PL1/PL2=253WとPL1/PL2=4,096Wでは、シングルコアテストは2,221pts→2,228ptsで変わらないが、マルチコアテストは36,891pts→39,408ptsへと約7%向上している。
PL1/PL2=253W設定の「CINEBENCH R23」の結果 |
PL1/PL2=4,096W設定の「CINEBENCH R23」の結果 |
今回は360mmサイズラジエーター採用のコストパフォーマンスモデルを主役に「よもや冷却パフォーマンスが間引きされてやしないか」という懸念を持ちつつ検証を行った。結果的には売価を忘れるほど高い冷却性能を発揮。同スタイルではるかに高価なモデルが存在する事を思えば、MAG CORELIQUID M360は十分に”掘り出し物”だろう。
ウォーターブロックのイルミネーションもシンプルで、決してギラギラしていない。代わりに120mmアドレサブルRGBファンは、MSI Mystic Light対応品と合わせて一体感のある光の演出に加わり、”3基の塊”はひときわ明るくPCケース内部を照らし出す。
最後に本稿のテーマである「コストパフォーマンスと冷却性能は両立できるのか」について、結論は「両立できている」としたい。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社