エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1344
2023.10.10 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
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「Hydro Ti PRO 1000W」はどのような構造になっているか、気になる内部を覗いてみよう。ネジ4箇所を取り外すとアクセスできるが、本来は保証対象外の行為である点には注意 |
続いて「Hydro Ti PRO 1000W」を分解し、その内部構造をチェックする。奥行きがわずか150mmに抑えられているためスペースが限られているはずだが、ドーターボードや基板裏などを活用し、コンポーネント間のクリアランスは十分に確保されている印象だ。80PLUS TITANIUM認証の高効率モデルとあって発熱も限定的なようで、ヒートシンクのサイズも控えめになっている。
また、設計面ではフルブリッジ型のLLC方式DC-DCコンバータが採用されているほか、コンデンサはすべて日本メーカー製の105℃品(一次側は耐圧450V対応)を搭載。基板には「Off-Wetテクノロジー」により専用のコンフォーマルコーティングが施され、湿度95%/温度50℃という過酷な環境でも問題なく動作する信頼性が付与されている。
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複数のドーターボードを使用していることもあり、基板上の実装密度はそれほど高くない。また、高効率なTITANIUM認証モデルとあって、ヒートシンクの大きさも限定的のようだ |
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交流電流を迎え入れる入力部。EMC/EMIノイズをフィルタリングするXコンデンサやYコンデンサ、チョークコイルなどが実装されている | 交流を脈流に整流する一次側整流回路。ダイオードやMOSFETは発熱が大きいため、放熱板に直接固定されている |
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アクティブPFC回路に実装されたコイル | アクティブPFC回路のブーストダイオードも発熱が大きいことから、ヒートシンクに固定されている |
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脈流を安定した直流に変換する一次側平滑回路には、日本ケミコンによる耐圧450V/105℃対応の大容量コンデンサが実装されていた |
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PFCコントローラなどが実装されているアクティブPFCボード | LLC回路に実装されたメインスイッチャーとトランス。発熱の大きいスイッチャーはヒートシンクに取り付けられていた |
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中央よりやや側板よりに実装されたメイントランスは、高周波数のスイッチングにより、400V以上に達する入力を実際に使用する電圧値に近い値に変換している |
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二次側の整流回路から平滑回路にかけてのエリア。こちらにも日本ケミコン製の105℃コンデンサを実装、応答性能に優れる固体コンデンサも採用されていた |
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12Vから5Vと3.3Vを生成する、高効率動作には欠かせないDC-DC変換基板。基板背面には複数のMOSFETが実装されている |
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スタンバイ用の5VSB回路に実装されたサブトランス | PWMコントローラが実装されたPWMボード |
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冷却ファンは、Protechnic Electric製の135mmファン「MGA13512XF-A25」が搭載されていた。FSPの歴代製品でも採用実績の多いモデルだ |