エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1344
2023.10.10 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
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まずトップバッターは、ストレステストの大定番「OCCT」の最新バージョン「OCCT 12.1.8」を動作させてみよう。プリセットはCPUとGPUの両方に最高レベルの負荷をかける「Power」を選択し、テスト時間は30分間に設定した。
通常の運用ではまずここまでの負荷はかからないであろうパワフルなテストだけに、動作中の消費電力は最大885Wに達していた。1000Wモデルである「Hydro Ti PRO 1000W」にとって定格の9割に迫る強力な負荷だが、その際にどのような挙動を示していただろうか。
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ATX 3.0規格のデザインガイドを参照すると、12Vは+5%/-7%の変動が許容されている。電圧変動がこの範囲内に収まっていれば問題ないわけだが、定格の9割近い強力な負荷がかかっていながら変動はほとんどなし。最も変動幅の大きい12VHPWRでも、上振れと下振れがともに1%未満に収まっている。
さらにテストが動作している間のフルロード時は、どれもほぼ0.01Vのごく小さい変動しか見られない。ヘビーな負荷がかかる最中も常に一定の電圧を維持できるという、優れた信頼性を見せてくれた。
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次は主にグラフィックスカードへの要求が大きい、3Dベンチマークテストの「3DMark」のストレステストを実行する。テストプリセットはDirectX 12 Ultimate対応の「Speed Way」をベースとする「Speed Way Stress Test」で、GeForce RTX 40シリーズに最適化された最新技術による負荷をかけることができる。なお、テスト時間は「OCCT」と同様に30分間に設定した。
ちなみにテスト中の消費電力は、「OCCT」からやや落ち着いて最大701W。「Hydro Ti PRO 1000W」としてはちょうど7割くらいの負荷で、ウルトラハイエンド構成での重量級ゲームでは、このくらいの負荷がかかると思われる。
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すべての数値が12V基準の1%以内に収まっているのはもちろん、ATXとCPUはフルロード中の変動がほとんどなく、驚きの安定動作を見せている。要求が大きいグラフィックスカードへの給電(12VHPWR)についても、むしろ下振れ自体は「OCCT」より少ないくらいで、極めて限定された一定の範囲内で電圧が変動していることが分かる。