エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1348
2023.10.20 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
まずは組み込んだCore i7-14700Kのパフォーマンスをしっかり引き出せているか、「CINEBENCH」系のレンダリングベンチマークを動作させて検証しよう。ベンチマークのラインナップはお馴染みの「CINEBENCH R15」「CINEBENCH R20」「CINEBENCH R23」に加えて、最新ベンチ「Cinebench 2024」も合わせて計測している。
また、計測にあたり「Click BIOS 5」で簡易OC機能の「GAME BOOST」を有効化。メモリの性能を引き出す「Memory Extension Mode」から実用的なゲーミング向け設定の「Performance Mode」を選択し、定格運用と比較してみることにした。
マルチコアテスト時のクロックは、Pコアは約5.6GHz、Eコアは約4.4GHzだった | シングルコアテスト時には、Pコアは約5.7GHzまでクロックが上昇していた |
CPUの検証記事と比べても遜色のないスコアが出ており、PL値が事実上無制限に設定されたCore i7-14700Kの性能をしっかり引き出せているようだ。
また、ワンタッチの簡易OCの効果も十分で、「CINEBENCH R23」まではシングルコア・マルチコアテストともに3~4%の上積みを達成。さらに、より正確な性能評価が可能という最新ベンチの「Cinebench 2024」では、シングル約10%およびマルチ約8%もスコアが上昇した。お手軽なチューニングながら、目に見えてパフォーマンスが向上している。
続いて、30分間連続でテストを実行する「Cinebench 2024:Minimum Test Duration:30 minutes」を動作させ、より長時間の負荷がかかった際の挙動を確認しよう。
Package Powerは250W前後で安定しており、定格動作におけるクロック推移は概ね5.2~5.5GHz程度。簡易OC時にはPackage Powerの水準がやや上昇、その分高めのクロックを引き出しているようだ。Core i7-14700Kのブースト状態をしっかり維持していると言える。
また、その際のMOSFET温度をチェックしてみると、エアフローの発生しないオールインワン型水冷ユニットを使用した状態で最大75℃程度。Package Powerもクロックも高い水準を維持できていることから、無制限設定のCore i7-14700Kを運用する上で十分な電源回路および冷却機構を備えているようだ。
アイドル時のサーモグラフィ | 高負荷時のサーモグラフィ |
「Cinebench 2024」実行時における消費電力。クロック差がそれほどないこともあり、アイドル時は16W、ベンチ実行時は最大25Wに収まっている |