エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1348
2023.10.20 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
「MAG Z790 TOMAHAWK MAX WIFI」が搭載するすべてのM.2スロットには、NVMe M.2 SSDの実力発揮に欠かせない専用ヒートシンクが装備されている。中でもCPU直結のPCI Express 5.0対応スロットに採用されているのは、エントリーシリーズとして初導入となったツールレス仕様の「Screwless M.2 Shield Frozr」だ。
表裏のサーマルパッドでSSDをサンドイッチにする構造で、その冷却性能には期待がかかる。ここでは検証用に、PCI Express 4.0(x4)に対応するCFD「PG4VNZ」シリーズの1TBモデル「CSSD-M2M1TPG4VNZ」を搭載。ベンチマークテストの「CrystalDiskMark 8.0.4」を使用し、パフォーマンスをチェックすることにした。なおデータサイズは64GiB、テスト回数を5回に設定し、3回連続でベンチマークを動作させている。
「CSSD-M2M1TPG4VNZ」のスペックはシーケンシャル読込7,000MB/sec、同書込5,500MB/sec、ランダム読込350,000 IOPS、同書込700,000 IOPSというもので、シーケンシャル性能はほぼ公称値通りの結果をマークした。
データサイズの大きさからランダム性能には若干の影響は出ているものの、コントローラ温度は最大70℃程度に収まっており、サーマルスロットリングは発生していない。エアフローのない環境での検証ながら、少なくともPCI Express 4.0世代のSSDを運用するには十分な冷却性能を備えているようだ。
アイドル時 | 「CrystalDiskMark 8.0.4」実行時 |
第14世代Intel Coreプロセッサの解禁に合わせて実施された秋葉原での夜間販売では、最上位モデルのCore i9-14900Kが一番人気だった。どうしても当日に入手したいという熱心なユーザーが集まる夜間販売らしい傾向だが、今後はCore i7-14700Kが売れ筋になるだろう、との声が店頭でも多数派を占めている。
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単なるクロックアップに留まらず、Eコア増強によりマルチスレッド性能も向上。目に見える形での進化を遂げ、新世代における“出世頭”として注目を集めているというわけだ。
本命がパフォーマンスクラスのCPUとなれば、組み合わせるマザーボードはゴリゴリのハイエンドでなくともいい。そう考える向きに、今回検証を行った「MAG Z790 TOMAHAWK MAX WIFI」は相性抜群。比較的手頃な出費に収まりつつ、Core i7-14700Kのポテンシャルをしっかり引き出せる信頼性を備えている。
ベースとなった「MAG Z790 TOMAHAWK WIFI」の素性の良さはそのままに、より高クロックなメモリやPCI Express 5.0対応SSDが扱えるなどスペックが強化。エントリー向けシリーズでは初めてツールレスのM.2ヒートシンクが導入されるなど、幅広い領域で使い勝手が向上している。日本ではすぐに利用できるわけではないものの、爆速のワイヤレスネットワークWi-Fi 7にも対応。先を見据えた将来性も見逃せない。
大注目のCore i7-14700Kに相応しいパートナー候補として、堅実にして一際キニナル存在になることは間違いない。
提供:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社