エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1349
2023.10.24 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
「Z790 NOVA WiFi」では、計6基のM.2スロットを搭載しているが、その全てに専用ヒートシンクが実装されている。さらにPCI Express 5.0(x4)接続に対応する「Blazing M.2」には、多層構造の「ツールレスM.2ヒートシンク」が採用されている。そこで、今回はCrucial「T700」シリーズの2TBモデル「CT2000T700SSD3JP」を使いその冷却性能を確認してみることにした。なおストレステストには「CrystalDiskMark 8.0.4」をデータサイズ64GiB、テスト回数5回に設定し、3回連続で実行している。
テスト1回目の「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 | テスト3回目の「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 |
アイドル時のサーモグラフィ結果 | 高負荷時のサーモグラフィ結果 |
最高性能はシーケンシャル読込が12,000MB/s超え、書込が11,000MB/s超えで、いずれも公称値に準ずるスコアを記録した。また今回はCPU周りのエアフローの全くないオールインワン型水冷ユニットを使用しているにも関わらずSSDの温度は最高で80℃で頭打ち。転送速度も安定しており、ストレージにアクセスが集中するような作業をする場合でも冷却性能が不足することはないだろう。
続いて、「Z790 NOVA WiFi」がCore i9-14900Kの性能を最大限に引き出すことができるのか確認をしていこう。今回はLong Duration Power Limit(PL1)とShort Duration Power Limit(PL2)をProcessor Base Powerの125W、Maximum Turbo Powerの253W、事実上無制限となる4,096W(実際には4,095.875W)の3段階に手動で設定して、「CINEBENCH R15」「CINEBENCH R20」「CINEBENCH R23」「CINEBENCH 2024」の4種類のベンチマーク結果を確認した。
すべての設定で動作は問題なく、ベンチマークも完走することができた。またパフォーマンスを確認すると、シングルコアテストはいずれの設定でもスコアに変化はなし。一方、マルチコアテストについては125Wと253Wの設定で15~20%、253Wと4,096Wの設定でも3~4%の差がついた。
このことから、マルチスレッド処理が中心の作業でCore i9-14900Kを使う場合には、最低でも240mmサイズ以上のラジエーターを搭載するオールインワン型水冷ユニットか、同等の性能を持つハイエンドなCPUクーラーを用意し、Long Duration Power Limit(PL1)は253W以上に設定したい。
「CPU Cooler Type and Power Preset」では、「240-480mm Liquid Cooler(253W)」がCore i9-14900Kを使う上で一つの目安になるだろう。もちろん360mmや420mmラジエーターを搭載するより高性能な水冷ユニットを使用しているなら「360-420mm Liquid Cooler(Unlimited)」を選択しよう |