エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1349
2023.10.24 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
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テストセッションのラストは「Z790 NOVA WiFi」の電源回路の実力を確認するため、「CINEBENCH R23:30 minutes(Test Stability)」による高負荷テストを実施することにした。なおMOSFETの温度はPhantom Gaming Tuningの「Mosfet Temperature」の数値を、PWMコントローラの温度は「PWM Temperature」の数値をそれぞれ採用している。
アイドル時のサーモグラフィ結果 | 高負荷時のサーモグラフィ結果 |
Long Duration Power Limit(PL1)を4,096Wに設定した場合、Package PowerはMaximum Turbo Powerよりも約60W高い310W前後まで上昇している。にも関わらずPWMコントローラの温度は最高64℃、MOSFETの温度も最高78℃で頭打ちとなり、電源回路の冷却性能はかなり優秀だ。さらに30分間のテスト中、Package Powerにもブレはなく、第14世代Intel Coreプロセッサの最上位モデルであるCore i9-14900Kの能力を十分に引き出すことができる。
今回は、ASRockゲーミングマザーボード期待の新星「Z790 NOVA WiFi」の検証を行ってきた。「Phantom Gaming」ブランドの最上位モデルらしく、90A SPSによる20+1+1フェーズの強力な電源回路と冷却ファンを内蔵した大型のヒートシンクを組み合わせることで、Package Powerが300Wを超えるような過酷な設定でも安定動作が可能。定格での運用はもちろんのこと、オーバークロックを検討している人にとっても満足できる仕上がりだろう。
またPCI Express 5.0(x4)接続のBlazing M.2や、DDR5-8000+までの対応が謳われているメモリスロット、ゲーミング向けに最適化したKiller E3100Gによる2.5ギガビットLAN、次世代規格Wi-Fi 7に対応する無線LAN機能など、高速なインターフェイスも充実している。
それでいて、価格はIntel Z790チップセットのミドルレンジモデル並みに抑えられている「Z790 NOVA WiFi」は、ASRockらしいコストパフォーマンスが光る1枚だった。
提供:ASRock Incorporation