エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1353
2023.11.05 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
冒頭でも触れたとおり、このほどPC COOLERが名称を変更し、突如「CPS」が誕生した。国内代理店は変わらず株式会社サイズ(本社:千葉県松戸市)だが、またしても仕掛け人であるお馴染みS氏によると、ゲーミングブランド「GAME ICE」も「CPS」ブランドに統一されるようだ。
ちなみに今年5月に詳細検証を行った「K4」の製品サイトは未だPC COOLER(GAME ICE)だが、大元であるShenzhen Fluence Technologyを検索すると「CPS」が上位にヒットし、Consumer Eletronicsカテゴリには複数のPCパーツが掲載されている。国内市場での展開については株式会社サイズ(それもS氏)次第だが、ともあれPCパーツブランドの勢力図はこれまでの台湾オンリーから中国へと拡大しつつあり、今後も「本社:中国」表記の自作PCパーツは増えていく事だろう。
パッケージにはPC COOLERとCPSを併記。ここから推察するに、これまでのゲーミングブランド「GAME ICE」が完全消滅し、CPSに移行させようという目論見のようだ。なおサイズに確認したところ、表記についてはPC COOLER(CPS)「RZ620」で確認が取れているため、本稿では併記のカタチを取る事にする |
さて「CPS」とはどういう意味か。事情に詳しいS氏に聞いてみたところ、本来の中国名は「超頻三」(注※実際の「頻」は簡体字)で、これを「Chao Pin San」と読むという。この頭文字を取って「CPS」というワケだ。ちなみに「超頻」はオーバークロックや最高クロック(Extreme PC)を意味し、残る「三」は、中国で言われる吉の数字で、良い兆候を招くといった願いが込められているそうだ。
名称変更による”挨拶”はこの辺りにして、ここからは本稿の主役である新製品にしてブランド第1弾「RZ620」に集中していこう。三度登場のサイズS氏だが、まず評価サンプルを手にして「その出来映えに驚いた」という。自社ブランドはもとより、Noctuaやbe quiet! 、ProArtistといった名だたるメーカーを知り尽くす人物だけに、疑う余地は無いだろう。打診を受けて早々に届けられた「RZ620」は、確かに洗練されたパッケージといかにも工作精度の高そうな製品という印象をもった。
PC COOLER(CPS)「RZ620」(型番:RZ620-BK) 市場想定売価税込9,980円(2023年11月3日発売) 製品情報(PC COOLER / 株式会社サイズ) |
10月18日付プレスリリースによると、市場想定売価は税込9,980円。1万円の大台を僅かに切るイメージ戦略はさておき、売価にシビアなサイズを以てしても、この想定売価から本格的ハイエンド志向のCPUクーラーである事はおおよそ想像がつく。肝心な冷却パフォーマンスを知る前段階だが、ここはS氏の言葉を信じ、上位クラスのサイドフロー型CPUクーラーとしての扱いで本稿は進めて行く事にする。
次にスペック表からRZ620の概要を把握しておこう。対応ソケットはIntel LGA1700/1200/115x、AMD Socket AM5/AM4で、冷却スタイルは2基の120mmファンを2つのヒートシンク間に搭載させた、ハイエンド志向のサイドフロー型CPUクーラーだ。アルミニウム製放熱フィンは精悍なブラック色で、これにφ6mmヒートパイプを6本使用している。
ここまでを見る限り、デュアルファンとツインタワー型ヒートシンクによる冷却性能が当然の注目ポイントだが、大型である事によるメモリスロットクリアランスなど、ソケット周辺の影響は導入前にしっかりと確認しておく必要がありそうだ。その他詳細については、検証を進める毎に細かく解説していこう。
RZ620の外装パッケージは実測で幅約233mm、奥行き約205mm、高さ約165mm。なお「CPS」ロゴの「S」は漢字の「三」に似せたデザインで、パッケージに描かれるトライフォースも「三」(三角形)から連想したブランドイメージという |