エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1353
2023.11.05 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
ここからはパッケージより本体を取り出し、RZ620の外観デザインをチェックしてみよう。サイズから提供された資料によると、新ブランドCPSの新たな展開と共に誕生したRZ620は、新デザインTRIFORCE(トライフォース)を採用。要所に三角形の要素を取り入れ、単なる量産品に留まらない”職人気質を感じさせる製品”に仕上げられているという。
なるほど外観を見回してみると、資料にあるローマ数字の「III」と三角形の幾何学的フォルムを製品に取り入れ、従来品にはない新しい魅せるデザインのチャレンジは、熱心な自作派にも新鮮に映るだろう。CPSが競合製品との差別化に重きを置いている事が感じられる。
次に冷却ファンが無い状態の、ヒートシンクのみに着目してみよう。パッと見て分かるように、受熱ベースプレートを中心に左右へヒートパイプがレイアウトされ、2つの向かい合うヒートシンクで構成される“ツインタワー型ヒートシンク”を採用。これは多くのハイエンド志向の空冷クーラーが長く採用するスタイルだ。
そして特徴的なのは、上部に装着されているトップカバーの存在。これは「メタリックトッププロテクトカバー」と名付けられ、TRIFORCEデザインを採用する象徴的なパーツとも言える。
メタリックトッププロテクトカバー |
RZ620のこだわりは、航空宇宙グレードのアルミニウム合金を”CNC一体成型技術”で加工。さらに表面には質感を強調する繊細なスプレー加工を施した。冷却性能に対しプラスとなる要素では無いものの、多くのPCケースが採用する左側面の強化ガラス越しにメタリックトッププロテクトカバーが正対し、存在感を際立たせている。
そしてアルミニウム製放熱フィン枚数を数えると、計54枚で構成。そのうち下段の6枚は段差が設けられ、CPUソケット周辺のクリアランスが確保される。また側面を見ると、新たにスタートを切ったCPSブランドの共通デザイン言語(Family Design Language)を取り入れた合理的なデザインが採用され、見た目だけでなく空気力学に準拠することで、放熱フィンの表面積を増やす事ができるという。
ブラックに塗装されたヒートシンク。新ブランドCPSの意匠を放熱フィンデザインに採用し、これを共通デザイン言語としてカタチに表したのがRZ620というワケだ |
左右対称のツインタワー型ヒートシンク。次に受熱ベースプレートを詳しく見て行く |