エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1357
2023.11.13 更新
文:編集部 絵踏 一/池西 樹
画像によるチェックが一通り完了したところで、ここからは「T-FORCE Dark Air Flow I」にSSDを搭載して冷却性能をチェックしていこう。テスト用のSSDはPCI Express 5.0(x4)接続のCrucial「T700」の2TBモデル「CT2000T700SSD3」(製品版)で、ストレステストには「CrystalDiskMark 8.0.4」をデータサイズ64GiB、テスト回数を5回に設定して3回連続実行した。
ヒートシンクのファンコネクタは「Chassis Fan3」に接続して、回転率は100%(8,300rpm前後)でテストを実施 |
テスト1回目の「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 | テスト3回目の「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 |
マザーボード用ヒートシンクでは、最大級となる「Z790 AORUS MASTER X」の「M.2 Thermal Guard XL」でも70℃弱まで温度が上昇してしまうCrucial「T700」。しかし、「T-FORCE Dark Air Flow I」では、冷却ファンが実装されていることもあり、最高温度は56℃までしか上がらず、サーマルスロットリングと思われる症状も一切発生していない。さらにファンを搭載しているため、テスト完了後の温度低下が速いのも特徴だ。
続いて「T-FORCE Dark Air Flow II」の冷却性能をチェックしていこう。なお「T-FORCE Dark Air Flow I」と全く同じ条件でテストを実施している。
ヒートシンクのファンコネクタは「Chassis Fan3」に接続。回転率は100%で、回転数は7,900rpm前後だった |
テスト1回目の「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 | テスト1回目の「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 |
「T-FORCE Dark Air Flow I」と挙動はほぼ同じで、最高温度は55℃で頭打ちになる。もちろんサーマルスロットリングと思われる症状は発生しておらず、「T-FORCE Dark Air Flow I」や「T-FORCE Dark Air Flow II」を搭載すれば、PCI Express 5.0(x4)SSDも発熱を気にすることなく使用することができる。
PCI Express 5.0対応の発熱は段違いなため、マザーボード標準装備のヒートシンクでは放熱性能が不足しかねない。その点「T-FORCE Dark Air Flow」シリーズの冷却性能は圧倒的で、2モデルとも55℃前後まで発熱を抑え込むことに成功した。サーマルスロットリングの不安がないのはもちろん、最大回転での動作ながら騒音もまったく気にならず、極めて優秀なM.2 SSDクーラーだ。
結果をご覧の通り、ファン最大回転での検証では2モデル間で冷却性能に大きな差はなく、どちらを選ぶかはお好みでと言ったところ。デザインや搭載環境に合わせて選んでもいいし、価格差があるようならそれも選択基準になるだろうか。完成度の高さは疑いなく、後は一刻も早い発売に期待したい。
協力:Team Group