エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1358
2023.11.14 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
ここからはパッケージより本体を取り出し、DE360の各部を詳しく見ていこう。オールインワン型水冷ユニットはいずれもポンプ一体型ウォーターブロック、ラジエーター、チューブの3点で構成されている。市場にはたくさんの選択肢があり、一体どこが決め手なのかが分かりづらい。役割からすれば冷却性能で決めることが最も正解だが、差別化を図ろうとメーカーが工夫を凝らした各部位の特徴を知ることで、新たな”見極めポイント”が発見できるかもしれない。
多くの製品同様、ウォーターブロックはポンプ一体型を採用。70mm四方で角は丸くデザインされ、高さは55mmに収められている。空冷クーラーなら完全に「ロープロファイル型」に分類され、冷却性能は搭載ファンの回転数に任せる事になるだろう。ラジエーター設置スペースは余分だとしても、CPUソケット周辺のクリアランスが良好であることが、オールインワン型水冷ユニットのメリットと言えよう。
そして資料からDE360固有の特徴を確認してみると、カバーの主素材は航空宇宙用アルミニウム合金とされ、低密度・高強度・耐食性に優れているという。さらに「繊細で温かみのある手触り」といった一文も添えられていた。
また工作精度の面では「CNC(コンピュータ数値制御)によるミリメートルレベルの高精度成形技術を駆使」とされ、作りの良さもしっかりとアピールしている。
内蔵ポンプは従来型に比べ、より大流量を提供。具体的な数値は回転数3,200rpm±10%で、騒音値は28±2dBAとなり、冷却液の素早い循環を高い静音性で実現させた。これはセラミックシャフトの採用によるもので、他のメリットとして自己潤滑性と長寿命にも貢献するという。何より「デュアルエンジン」と称されるデュアルポンプによる性能向上は、「DE」シリーズ共通の強みとなっている。
受熱ベースプレートは銅製を採用。恐らくDEシリーズはオールインワン型水冷ユニットの中でもコストパフォーマンスモデルと認識されるだろうが、ここまで品質や工作精度の面で同クラスの他モデルに劣る部分は一切感じられない |
曰く「画期的なデュアルポンプ・ソリューション」とされるDEシリーズのデュアルエンジン |
ウォーターチューブには「高圧ラバーチューブ」が採用されている。あらゆる過酷な環境下での使用にも耐える、安定性が特徴で、特に3つのポイントが掲げられている。
冷却水の漏れや蒸発を防止するハイプレッシャーラバーチューブは、取り回しのしやすい柔軟性もあり、組み込み易さと信頼性を特徴としている。なおチューブの長さは公称430mm、太さは実測で約12mmだった。
ラジエーターとのジョイント部には水流のIN/OUTが赤と青のラインで示されている |