エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1364
2023.11.30 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:pepe
それではPCを「Modern MD2712PW」に接続し、実際の映り具合を直接確かめてみよう。液晶パネルは視野角が水平垂直ともに178°のIPS方式を採用していることから、角度による画質の変化が抑えられている。さすがに左右方向に大きく傾けた際は輝度とコントラストの低下がわずかに確認できるものの、正面からの画質は安定している。メインディスプレイとしての利用はもちろん、サブディスプレイとして多少斜めに設置した場合でも問題にはならないだろう。
長時間のデスクワークやゲームプレイの際に、気になるのが目の疲労。「Modern MD2712PW」には、その度合を簡易的にチェックするために「Eye-Q Check」機能が搭載されている。視野の歪みをチェックする「アムスラーグリッドテスト」や目のカスミなどが把握できる「乱視テスト」に加えて、正しい姿勢をキープさせる「姿勢補正」を画面に表示。ユーザー自身の手により、お手軽なヘルスチェックが可能だ。一般的なOSDメニューのように透過表示はされず、各テスト項目の機能を有効にすると画面全体が切り替わる仕様になっている。
「Modern MD2712PW」が搭載しているDP Alt modeのUSB Type-Cポートは、映像入力だけでなく最大15WのUSB PD給電に対応している。OSDメニューから「Type C PD Charge」の項目を有効化することで、ケーブル1本で接続端末の充電と大画面表示が可能。ただし給電は最大15Wまでのため、消費電力の低いスマートフォンなどのデバイスでないと完全に電力を賄うことはできない。
レースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイを使用し、リフレッシュレート60Hzと100Hzの違いを比較してみよう。ゲーミング向けのハイエンドモデルに比べれば多少の残像感こそでているものの、わずか40Hzの違いでもその差は明らか。100Hzではよりスムーズかつ流れるように描画されていることが分かる。
ビジネスシーンにおいてはブラウザやスプレッドシートなどを素早くスクロールすることも多いが、高いリフレッシュレートで描画されることでチラつきが抑えられ、結果的に目の負担も軽減できる。ゲーム以外の用途においても、快適さを追求する上でリフレッシュレートが重要なスペックであることは間違いない。
エントリーモデルとあって「Modern MD2712PW」は突出した性能をもっているわけではないものの、コストを意識しつつバランスの良いスペックにまとめられている。ビジネス向けシリーズとしては高めな100Hz駆動/1ms応答の描画性能は、デスクワークでは目の負担の軽減に繋がるし、合間に動画鑑賞やゲームプレイを楽しむ際も大いに役立つ。用途を限定せずマルチに使いたい向きにはピッタリで、それが2万円台で手に入るお手頃さも嬉しい。
さらにアイケア機能を網羅した「EyesErgo」への対応、ヘルスチェック機能の「Eye-Q Check」、目に優しい「Modern MD2712PW」の特性は、長時間ディスプレイに向かう必要がある人ほど恩恵がある。同価格帯では珍しい多機能スタンドを備える点も好印象で、あらゆる面で扱いやすさが光るディスプレイだ。ホワイト環境ならずとも、際立つコストパフォーマンスの高さで勝負できる1台と言える。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社