エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1367
2023.12.07 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
続いて「ROG MAXIMUS Z790 FORMULA」をベースにPCを構築して実際の動作を確認していこう。検証用のCPUは第14世代Intel CoreプロセッサのフラッグシップCore i9-14900Kで、「Long Duration Package Power Limit」(PL1)と「Short Duration Package Power Limit」(PL2)は標準設定である「Auto」と、手動で125Wに設定した場合の2通りでテストを行っている。
ASUS「ROG RYUJIN III 360 ARGB White Edition」 実勢売価税込56,000円前後(2023年8月4日発売) 製品情報(ASUS) |
またCPUクーラーには、第8世代Asetek製ポンプユニットやマグネットコネクタによるデイジチェーン接続ファンを採用するホワイトカラーのハイエンドオールインワン型水冷ユニット「ROG RYUJIN III 360 ARGB White Edition」を組み合わせた。ウォーターブロック部分にはシステム情報の表示ができる3.5インチの大型LCDに加え、冷却ファンも内蔵されており、電源回路やM.2スロットなど周辺回路の冷却も同時に行うことができる。
CPUにはPコアが8コア/16スレッド、Eコアが16コア/16スレッドのフラッグシップCore i9-14900Kを使用 |
「UEFI BIOS Utility」を確認したところ、Auto設定では「Long Duration Package Power Limit」は253W、「Short Duration Package Power Limit」は4,095Wに設定されていた |
標準のAuto設定に加え、手動で「Long Duration Package Power Limit」「Short Duration Package Power Limit」をProcessor Base Powerの125Wに設定した状態でも検証を実施した |
OSのインストール完了後、ネットワークに接続すると自動的に「Armoury Create」のインストーラーが起動する。なお「Armoury Create」は新型Intel Z790チップセットマザーボードすべてに対応する |
「ダッシュボード」では、システム情報の確認に加え、ファンの速度やAURA SYNCなどの設定も可能 |
最新ドライバやユーティリティも一括でインストールすることができる |
アイドル時のサーモグラフィ結果 | 高負荷時のサーモグラフィ結果 |
「CINEBENCH 2024」のスコアを確認するとシングルコアテストについては負荷が軽く、いずれの設定でも最高6.0GHzまでクロックが上昇するためスコアは横並びになる。一方、マルチコアテストについては125W設定ではPコアが4.2GHz前後、Eコアが3.5GHz前後までしか上がらないのに対して、Auto設定ではPコアが5.3GHz前後、Eコアが4.3GHz前後で動作するため、スコアは20%以上も向上している。
またVRMの温度を確認したところ、「ROG RYUJIN III 360 ARGB White Edition」にはウォーターブロック部分に冷却ファンが内蔵されているため、Package Powerが260W前後まで上昇するAuto設定でも最高71℃で頭打ちになった。
そしてCPU温度を確認すると、Package Powerが330W前後になるテスト冒頭は95~100℃まで温度が上昇するものの、PL1に移行して260W前後で落ち着いた後は概ね75~85℃の間で推移する。VRMの温度も低く抑えられていることから「ROG MAXIMUS Z790 FORMULA」と「ROG RYUJIN III 360 ARGB White Edition」の組み合わせなら、「Long Duration Package Power Limit」を実質無制限となる4,095Wに設定して、CPUの性能を限界まで引き出すのもいいだろう。