エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1370
2023.12.17 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ここからは実際のゲームを想定したベンチマークテストを進めていこう。まずは人気オンラインRPGの最新ベンチマークである「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ」からだ。グラフィックス設定は“最⾼品質”で、解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)、WQHD(2,560×1,440ドット)、4K(3,840×2,160ドット)の3種類で計測を⾏っている。
DDR5-7200とDDR5-7400では、メモリスピードの差がわずかということで有意な差は出なかった。また4K解像度では、グラフィックスカードの影響が大きいこともありその差は1%未満にとどまる。一方で、WQHD解像度やフルHD解像度では約6%に差が広がり、「3DMark」と同じく解像度が低くなるに連れてメモリスピードの影響が大きくなる。
続いて、比較的負荷が軽いタクティカルシューターゲーム「Tom Clancy’s Rainbow Six Siege」のゲーム内ベンチマーク結果も確認しておこう。「API」はVulkan、「総合品質」は“最高”、レンダリングのスケールは“100”に設定し、解像度はこれまでと同じフルHD、WQHD、4Kの3種類で計測を実施した。
4K解像度ではやはりグラフィックスカードの影響が大きいためスコアに違いはでなかった。ただし、WQHD解像度では約2%、フルHD解像度では約8%の差が付き、解像度が低くなるに連れて差が大きくなっている。
人気バトルロイヤルゲーム「Apex Legends」のフレームレートも確認しておこう。なお「Apex Legends」にはプリセットが用意されていないため、画質設定はできる限り高品質になるように設定し、144Hzのフレームレート制限は解除している。また解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類で、計測にはCapFremeXを使用した。
フルHD解像度ではフレームレート制限に引っかかるためいずれのメモリスピードでもほぼ300fpsで頭打ち。また4K解像度ではグラフィックスカードの負荷が高いこともあり、フレームレートは横並びになった。しかしWQHD解像度では、DDR5-4800に比べて約6%スコアがアップしており、高速なメモリを使用するメリットは確実にある。
ゲーム系テストのラストは、オープンワールド型アクションRPGの大作「Cyberpunk 2077:Phantom Liberty」のゲーム内ベンチマーク結果を確認していこう。解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類で、「クイックプリセット」は“レイトレーシング:ウルトラ”で計測を行っている。
これまでのゲームテストと同じくDDR5-7200とDDR5-7400では、スコアに大きな違いはない。またDDR5-4800との比較では、4K解像度で約2%、WQHD解像度で約4%、フルHD解像度では約9%に差が開き、解像度が低くなるに連れてメモリスピードの影響が大きくなる。
テストセッションのラストはヒートスプレッダのトップバーを標準のLEDバーから、オプションのフィンヒートシンクに交換することで、冷却性能にどのような違いが出るのか確認していこう。なおストレステストには「AIDA64」の「システムスタビリティテスト:Stress System Memory」(10分間)を、メモリの温度計測には「HWiNFO v7.66」を使用した。
標準LEDバー:アイドル時のサーモグラフィ | 標準LEDバー:高負荷時のサーモグラフィ |
フィンヒートシンク:アイドル時のサーモグラフィ | フィンヒートシンク:高負荷時のサーモグラフィ |
今回はDIMMA2(CPUソケットから2番目)とDIMMB2(CPUソケットから4番目)のスロットにメモリを搭載しているが、いずれも標準LEDバーに比べるとフィンヒートシンクのほうが約5℃温度が低くなっている。サーモグラフィーでもフィンヒートシンクのほうがヒートスプレッダの温度が低くなっており、冷却性能は確実に向上していることがわかる。
CORSAIR製メモリの中でも特に人気の高い「DOMINATOR」シリーズのフラッグシップモデルとして登場した「DOMINATOR TITANIUM DDR5」。従来製品と同様スタイリッシュなデザインはもちろん、厳選されたメモリチップとカスタムPCBによる高品質な設計もしっかりと継承され、7,000MHzを超えるオーバークロック設定でもテスト中に不安定な挙動を示すことはなかった。
また実際のパフォーマンスについては、CPUやグラフィックスカードほど劇的な効果があるわけではないが、クリエイティブなアプリケーションや、ゲームでも特に高フレームレート環境でもうひと伸び欲しい場合なら確実に効果が見込めるだろう。
そしてトップバーのカスタマイズ機能も他のメモリにはない注目のポイント。標準装備のLEDバーからフィンヒートシンクに変更することで、メモリ温度は約5℃も低下し、想像以上の効果を発揮してくれた。美しいライティングを楽しみたいという見た目を重視する人から、冷却性能や安定性を重視したい人まで、幅広いユーザーにオススメできる製品だ。
提供:CORSAIR