エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1371
2023.12.20 更新
文:撮影・藤田 忠
ASRock「NUCS BOX-1360P/D4」 市場想定売価税込129,980円(2023年12月8日発売) 製品情報(ASRock Industrial) |
ASRockの超小型ベアボーンとくれば「DeskMini」シリーズを思い浮かべるところ、このほど業務用途向け製品に特化したASRock Industrial(本社:台湾)から、「NUC(Next Unit ofComputing)」フォームファクタを採用した新モデルが登場した。
約100mm×100mmという手のひらサイズのフットプリントが特徴のNUCは、2012年11月にデビューして以来、超小型PCの代表格として一時代を築いた存在。先ごろ、フォームファクタを提唱した“本家”のIntelがNUC事業への投資を停止したことが話題になったのは記憶に新しいが、他メーカーはその限りではない。モバイルCPUならではの省電力や静音性を備えつつ、ビジネス・文教向けにおいて十分なパフォーマンスを発揮可能なNUCは、まだまだ忘れてはならないプラットフォームと言える。
「手乗り文鳥」ならぬ「手乗りPC」。超小型PCを一気に普及させたIntel NUCフォームファクタ |
そしてASRock IndustrialからリリースされたNUCの新モデルには、最新のモバイルCPUに加えてThunderbolt 4/USB4や2.5ギガビットLAN、Wi-Fi 6Eといった最新インターフェイス・ネットワークを搭載。現行のビジネス・文教シーンで要求される最新スペックを詰め込み、市場に投入されることになった。
ちなみにASRock Industrialという名前に馴染みがない人もいるかもしれないが、同社はマザーボードやグラフィックカードでおなじみのASRockから分社化した、産業用途に特化したメーカー。日本国内向けにはASRock Japanが窓口になり、販売代理店も従来のASRock製品と同じであるなど、(国内に限っては)あまりコンシューマ製品との展開に違いはない。それだけに、今回の製品についても産業向けを意識しすぎる必要はないだろう。
産業用途向け製品に特化したASRock Industrial |
ASRock Industrialでは、冷却ファンを装備した組み込みPCとなる「Fanned Embedded BOX PC」となっている |
2023年12月8日から販売が開始された約110mm角のASRock超小型ベアボーンキット。ラインナップはおおまかに、今回触っていく、厚さを38mmに抑えたスリムモデル「NUCS BOX」シリーズ。2.5インチSSD/HDDベイを備え、厚さが47.85mmとなる「NUC BOX」シリーズ。筐体サイズは「NUC BOX」と同じだが、CPUにRyzen 7000Uを採用した「4X4 BOX 7000/D5」シリーズの3種類になる。
ASRock超小型ベアボーンキットは、約110mm角の筐体サイズを実現 |
厚さが38mmの「NUCS BOX」シリーズと、2.5インチベイを備え、厚さが47.85mmとなる「NUC BOX」と「4X4 BOX 7000/D5」など、CPUやメモリが異なる複数モデルをラインナップ |
「NUCS BOX」シリーズは、CPUにCore i7-1360Pを搭載し、今回触っていく「NUCS BOX-1360P/D4」と、Core i5-1340Pの「NUCS BOX-1340P/D4」の2モデルをラインナップ。
CPU以外のスペックは共通で、メモリはDDR4-3200 SO-DIMM×2(最大64GB)、ストレージはPCI-Express 4.0×4対応M.2×1、映像出力はHDMI 2.0b×2、ネットワークは2.5ギガビットLAN、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3。USBポートは、フロントがUSB 4.0/Thunderbolt 4 Type-C ×1(DP Alt対応)×1、USB 3.2 Gen 2 Type-C(DP Alt対応)×1、USB 3.2 Gen 2 Type-A×2。リアがUSB 3.2 Gen 2 Type-A×2となっている。本体サイズは幅117.5mm、奥行き110mm、高さ38mm。