エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1372
2023.12.22 更新
文:撮影・藤田 忠
GeForce RTX 40シリーズの登場とともに、長く、厚くなったグラフィックスカード。おかげで組み合わせるPCケース選びにも、気をつかうようになった。そんななか、MSIから投入されたのが、カードの3辺長を短く、重量を軽くした「GAMING SLIM」シリーズだ。同社の定番人気グラフィックスカード「GAMING」シリーズのスリムモデルといった位置付けで、冷却、静音性に定評のある冷却システムはそのままに、カードの大幅な薄型化を達成している。
そんな「GAMING SLIM」シリーズは、GeForce RTX 4090からGeForce RTX 4060 Tiまでをラインナップ。さらにGeForce RTX 4090を除いてホワイトカラーのバリエーションも揃えるなど、売れ筋になる要素を複数兼ね備えている。秋葉原のショップスタッフが「今最も売れているグラフィックスカード」のシリーズに挙げるのも納得だろう。
ハイミドルのGeForce RTX 4070 Tiモデルでは、カードサイズは最大18%も短く、重量は32%も軽くなっているという |
VGAクーラーには、MSIが培ってきた冷却システムの最新バージョンとなる「TRI FROZR 3」を採用する |
人気のある白色バージョン「GAMING SLIM WHITE」を用意 |
「GAMING SLIM」シリーズは、GeForce RTX 4090からRTX 4060 Tiまで、11製品をラインナップ |
そんな「GAMING SLIM」シリーズ全11モデルのなかから、今回の主役に選んだのは、GeForce RTX 4070を搭載した「GeForce RTX 4070 GAMING X SLIM WHITE 12G」だ。
MSI「GeForce RTX 4070 GAMING X SLIM WHITE 12G」 市場想定売価税込114,800円(2023年9月21日発売) 製品情報(MSI) |
カードサイズは「GeForce RTX 4070 GAMING X TRIO 12G(以下:RTX 4070 GAMING X TRIO 12G)」と比べ、全長は31mm短い307mm、幅は16mm低い125mm、厚さは2.6スロットだった51mmから2スロット弱の46mmに。そして重量は、1,214gから225g軽量化された988gとなっている。そんなスリム化されたVGAクーラーだが、RTX 4070 GAMING X TRIO 12Gと同じく、「TRI FROZR 3」冷却システムを採用。従来から風量を23%向上させた「TORX FAN 5.0」や、ニッケルメッキを施した銅製ベースプレート、正方形に加工することで接触面積を増やし、GPUコアの熱を素早く拡散させる「Core Pipe」、効率的なエアフローを実現する「Wave Curved 2.0」フィンデザインといった進化を続けてきたMSIの技術が組み合わされている。
その高い冷却性能の自信のほどは、「GeForce RTX 4070 GAMING X SLIM WHITE 12G」のブーストクロックからもうかがえ、RTX 4070 GAMING X TRIO 12Gと同じ、2,625MHz(Extreme Performance)/2,610MHz(標準)になっている。
ひと目でホワイトモデルとわかるパッケージ。表面に画像はなく文字だけのシンプルなデザイン | パッケージ背面には製品の特徴などが記載されている |
付属品のグラフィックスカードホルダーも白色で、「GAMING SLIM」のロゴがデザインされていた | 8pinコネクタ×2から、12VHPWRコネクタに変換するケーブルも同梱。コネクタ部を含めて白なのが良い |
主なスペックはCUDAコア数5,888基、メモリスピード21Gbps、メモリバス幅192bit、ビデオメモリはGDDR6X 12GB。バスインターフェイスはPCI Express 4.0(x16)、出力インターフェイスはHDMI 2.1a×1、DisplayPort 1.4a×3となっている。消費電力はリファレンスと同じ215Wで、補助電源コネクタは12+4pin 12VHPWR×1、システムの推奨電源ユニット容量は650Wに設定されている。