エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1383
2024.01.23 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
続いて、消費電力をチェックしていこう。ストレステストには「3DMark Speed Way Stress Test」を使い、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として計測を行った。
GeForce RTX 4070 TiとGeForce RTX 4070 Ti SUPERは、TGPが全く同じこともあり、高負荷時でもその差は約7Wでほぼ誤差の範囲。いずれも同等の消費電力と考えていいだろう。またテスト中の消費電力は最大でも約400Wに留まることから、ハイエンドCPUを組み合わせた場合でも750~800Wクラスの電源ユニットを用意すれば容量が不足することはない。
テストセッションのラストは、「GeForce RTX 4070 Ti SUPER JetStream OC」に搭載されているオリジナルトリプルファンクーラーの冷却性能をチェックしていこう。なおストレステストには消費電力テストと同じ「3DMark Speed Way Stress Test」を使用している。
GPU温度は最高64.6℃、Hot Spot温度も最高77.5℃とかなり低く抑えられている。さらにファンの回転数はいずれも最高1,350rpm弱、回転率は最高35%で頭打ちになり、3.1スロットを占有する大型トリプルファンクーラーは冷却性能、静音性とも極めて優秀だ。
GeForce RTX 4070シリーズの中では唯一「AD103」コアを採用するGeForce RTX 4070 Ti SUPER。コア数についてはGeForce RTX 4070 Tiから約10%の増加に留まり、コアクロックもほぼ同等なことから、フルHD解像度やWQHD解像度ではGeForce RTX 4070とGeForce RTX 4070 SUPERのときのような劇的な性能差は見られなかった。
一方で、メモリバス幅やメモリ容量が33%も拡張されているため、メモリ周りの負荷が大きくなる4K解像度でのゲームプレイや3Dレンダリング、生成系AI処理ではパフォーマンスが大きく向上している。またTGPも285Wとこのクラスの製品としては控えめなことから、TGPが300Wを超えるGeForce RTX 4080やAMD Radeon RX 7900 XTの代替としても魅力的な製品になるだろう。
そして今回検証に使用した「GeForce RTX 4070 Ti SUPER JetStream OC」に目を向けると、カード長は約330mm、厚さも3.1スロットを占有するなどイマドキのハイエンドグラフィックスカードらしくそのサイズはかなり大きい。ただし、その分冷却性能や静音性は非常に優秀なことから、大きめのPCケースで高性能かつ静音性にも優れるPCを構築する場合にはオススメだ。
協力:NVIDIA Corporation