エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1385
2024.01.27 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
まず検証の手始めに、ストレステストの定番である「OCCT」の最新バージョン「OCCT 12.1.14」を実行する。プリセットはCPUとGPUの両方に同時に負荷をかける「Power」を使用し、テスト時間は30分間に設定した。
一般的な用途ではまず達しないであろう負荷でCPU・GPUをぶん回すテストとあって、Ryzen 9 7950XとGeForce RTX 4070 SUPER搭載環境で消費電力は最大594Wに。容量850Wの「ASUS Prime 850W Gold」にとって、定格の70%に迫る強力な負荷がかかっていたことになる。
ATX 3.0規格のデザインガイドを参照すると、規格上12Vは+5%/-7%の変動が許容されている。ところが定格比7割近い負荷がかかった環境ながら、変動幅が最も大きかった12VHPWRでも0.5%程度の下振れに留まった。テスト中の変動値は極めて微細であり、ほぼ一定の電圧を常に維持できているようだ。
続いては主にグラフィックスカードへの負荷が大きいテストとして、3Dベンチマークテストの代表格「3DMark」のストレステストをチョイス。GeForce RTX 4070 SUPERがフルに実力を発揮できるDirectX 12 Ultimate対応の「Speed Way Stress Test」を実行した。テストは先ほど同様に30分間連続で動作させている。
なお、テスト中における消費電力は最大404W。「OCCT」からやや落ち着いた負荷率50%近くで動作しており、これは電源ユニットの変換効率が最も高まる理想的な負荷環境と言える。
GeForce RTX 40シリーズに最適化された最新技術が盛り込まれた負荷テストだが、その一方でCPUはほぼ変動なし。主電源と12VHPWRも負荷がかかると同時にわずかに下振れるのみで、その変動幅は「OCCT」と同様に0.5%以下。かなり厳格な電圧レギュレーション下で動作しているようだ。
次に実行するのは、レンダリング系ベンチマークCinebenchの最新版「Cinebench 2024」から追加されたGPU向けテストだ。動作モードを30分間連続して実行する「Minimum Test Duration:30 minutes」に設定、その際の挙動を見ていこう。
ちなみに消費電力は最大でも318Wに留まるなど、負荷率40%を切る軽めのテスト。軽量な負荷において、「ASUS Prime 850W Gold」はどのように動作するだろうか。
グラフの波形がやたら忙しく見えるのは、短いスパンで繰り返しテストが実行されているため。アイドル状態と負荷がかかった状態を繰り返しているわけだが、その変動幅はこれまでで最も小さい0.3%ほどの下振れに留まった。軽量な負荷という環境に加えて、断続的に負荷がかかるシチュエーションでも安定した動作が期待できそうだ。