エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1388
2024.02.02 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
ここからは両サイドパネルを取り払い、NX416Lの内部構造をくまなく見て行く。外観の印象は”高エアフロー志向”だが、それを裏付ける設計の要所を詳しく解説していこう。
最も広い面積のマザーボードトレイは、ATX、MicroATX、Mini-ITXの各規格に対応。出荷時より合計9本のスタンドオフ(台座)が装着されている。さらによく観察すると、マザーボードの仮置きで利便性を発揮する「位置決め用の段差付きスタンドオフ」の採用は見送られているようだ。なお周辺クリアランスについては、組み込みセッションで解説しよう。
基本的な構造は極一般的なミドルタワーPCケース。NX416Lにも当たり前のようにボトムカバー(シュラウド)が装備されている。ただし特徴的なのはボトムカバー左側面部分がメッシュ仕様であること。ほとんどのケースでは密閉タイプだけに、デザイン面と通気性を両立させたこのチョイスは、高いセールスポイントになりそうだ。
天板部分もハニカム状の通気孔仕様。NX416Lは多くの箇所で通気性が確保されている事が分かる |
なお右側面は開口部で、ここからシャドウベイや電源ユニット搭載スペースへのアクセスを行う事になる。ちなみにボトムカバー内部高は実測で約100mm。ATX規格の電源ユニットが高さ86mmだから、若干の空間を残す格好でマウントできそうだ。
モデル外観を特徴付けるボトムカバー左側面部分の通気孔仕様。ただしダストフィルター等の装備は無い |
一般的なミドルタワーPCケースよりも明らかに通気性に優れた設計。これを最大限に利用するには、物理的な冷却ファンの存在が重要だろう。次に120mmファンを最大11基まで搭載できる、NX416Lの冷却ファンレイアウトをじっくり見ていこう。
フロントパネル内部、シャーシ面には出荷時より2基の冷却ファン搭載されている。サイズは自作PCでは珍しい160mmで、アドレサブルRGBを内蔵。資料によると「Antec Custom Fan」とされ、大型ブレードにより大風量を生み出す。
160mm「Antec Custom Fan」はホワイト色の11枚ブレード仕様。アドレサブルRGBを内蔵し、鮮やかに発光しながら大量のフレッシュな外気を筐体内部に常時送り続ける。コネクタは3pin |
なお2基の160mm標準ファンを取り外すと、120mmまたは140mmファン3基に換装可能。ラジエーターは120/140/240/280/360mmサイズが搭載できる。ちなみにラジエーターはシャーシ内部側に固定する設計。冷却ファンはシャーシ外側に設置できる。
長尺ラジエーター設置用にカットされたボトムカバー天板前方。ただし冷却ファンはシャーシ外側に固定できるため、実質ラジエーター厚分だけ確保できればいい計算。ちなみにカットサイズは実測で幅約60mm、奥行き約147mmだった |