エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1388
2024.02.02 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
ほぼ全面にわたり通気孔仕様のトップパネルには、120mmファンが3基、140mmファンなら2基が増設可能。ラジエーターはフロントパネルと同じ、120/140/240/280/360mmの各サイズをサポートする。
大判ダストフィルターを外した状態のトップパネル。ご覧の通りほぼ通気孔仕様だった |
フロントパネルにはNX416Lのセールスポイントである、160mm Antec Custom Fanが2基標準装備されているため、ラジエーターの増設の筆頭はトップパネルになる。水冷ユニットにとって、冷却パフォーマンスが発揮しやすいポジションだけに、最良のスペースとも言える。
NX416Lの仕掛けで最もユニークなのが、「ストレージパネル」だろう。後ほど解説するが、マザーボードトレイ右横に装着されているプラスチック製のパネルは、背面から4本のネジで固定。裏面には2.5インチSSDが搭載できる。
プラスチック製のストレージパネル。背面4本のネジを外してもシャーシ側にはツメで引っ掛けられているため、すぐさま脱落するといった事はない |
そしてこれを取り外すと通気孔が露わになり、120mmファンが2基または120/240mmサイズラジエーターが搭載できるようになる。ここに冷却ファンまたはラジエーターを増設すると、ストレージパネルは使用不可となるトレードオフの関係だが、設計としては面白い。ユーザーはどちらかを使用、またはどちらも使用しないなど、3パターンからスタイルが選択できる。
ストレージパネルを外した状態の、マザーボードトレイ右横スペース。ハニカム状の通気孔が露わになり、冷却ファンまたはラジエーター固定用のネジ穴(スリットタイプ)が確認できる |
CPUソケットに近いリアファンは、アドレサブルRGB仕様の120mmファンが標準で装備されている。スケルトン仕様のブレードは7枚で、羽の表面には段差が設けられ、スムーズな風の流れを作り出す工夫が凝らされている。なお回転数等の詳細スペックは開示されていないが、コネクタケーブルは3pinで、別途ARGB信号用ケーブルも接続する必要がある。
なおこの箇所には120mmサイズラジエーターの搭載も可能。ネジ穴はその他同様のスリットタイプで、固定位置の微調整に対応する。また通気孔は強度が維持できるハニカム状だった。
意外にも最もAntecらしさを感じたのが、ボトムカバー天板の冷却ファン増設スペースだ。Antecではこのポジジョンを「電源ユニットシュラウドファン」と呼んでいるが、以前詳細検証をお届けした「FLUX」シリーズが採用するエアフロー機構に酷似している。約2年ほど前に相次いでリリースされた同シリーズは、天板に逆回転ファンを設置。右側面のボトムカバー開口部付近に通気孔を設け、外気を取り込むエアフローレイアウトが提唱されていた。
NX416Lでは逆回転ファンも右側面通気孔もなく、その面影を残すのみとなっている。ただし、左側面のボトムカバー開口部をメッシュ状の通気孔にする事で同様の効果を得ようという考えは、Antecが考えるエアフロー設計の基本が守られた格好と言えよう。
マザーボードトレイ背面、CPUクーラーメンテナンスホール下には「LED&PWM FAN CONTROLLER」が標準で装備されている。一部接続された状態で出荷される幅30mm、長さ90mmの基板には、アドレサブルRGB用3pinコネクタ6口と、3pin(4pin対応)冷却ファン電源コネクタ6口を装備。接続された冷却ファンの電源供給は、SATA電源コネクタ1本で対応。トップパネル右前方に装備されるLEDスイッチを有効にする「LED用コネクタケーブル」もここに接続されている。