エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1397
2024.02.26 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
SAPPHIRE「PULSE Radeon RX 7900 GRE GAMING OC 16GB GDDR6」(型番:11325-04-20G) 製品情報(AMD) |
今回の主役である「Radeon RX 7900 GRE」は、WQHD解像度における究極のパフォーマンスを謳う「RDNA 3」アーキテクチャを採用したアッパーミドルGPU。冒頭でも触れた通り、元々は一部の海外市場やシステムインテグレーターに向けて昨年7月にリリースされていた製品だが、この度グローバル市場向けに正式投入されることになったワケだ。
GPUコアはRadeon RX 7900 XTX/XTと同じ、5nmプロセスのGCDと6nmプロセスのMCDを組み合わせたチップレット技術を採用する「Navi 31」をベースにしている。ただし、トランジスタ数は577億から539億へと削減されていることから、おそらくMCDは6基から4基へと削減されているのだと思われる。
またスペックを確認するとストリームプロセッサは5,120基で、4K解像度をターゲットにしているRadeon RX 7900 XTとの差はわずか5%。Radeon RX 7900 GREと同じWQHD解像度をターゲットにしている下位モデルRadeon RX 7800 XTとの比較では約33%と大幅に増加している。一方で、動作クロックはゲームクロックが1,880MHz、ブーストクロックが最高2,245MHzとされ、Radeon RX 7900 XT(2,000MHz/2,400MHz)から約7%、Radeon RX 7800 XT(2,124MHz/2,430MHz)との比較ではブーストクロックは約8%、ゲームクロックに至っては約13%も低くなっている。
価格的にライバルとなるGeForce RTX 4070との比較では、平均で約14%高いフレームレートを発揮するとのこと |
そして、MCDが4基になったことでメモリバス幅はRadeon RX 7800 XTと同じ256bitに、Infinity Cacheも64MBに削減された。さらにメモリスピードも18Gbpsと、3モデルの中では最も低く、メモリ帯域幅はRadeon RX 7900 XTとの比較で7割強、Radeon RX 7800 XTとの比較でも8割強に留まる。
その分、Total Board Power(TBP)もRadeon RX 7900 XT(315W)からは55W、Radeon RX 7800 XTとの比較でも3W低い260Wに設定されている。動作クロックの低さやメモリ帯域の狭さを、ストリームプロセッサ数でカバーする電力効率を重視した設計だが、実際にどの程度Radeon RX 7800 XTを上回るパフォーマンスを発揮できるのかは、後半のテストセッションで明らかにしていこう。
今回編集部に届けられた評価サンプルは、SAPPHIREのメインストリーム向け「PULSE」シリーズに属する「PULSE Radeon RX 7900 GRE GAMING OC 16GB GDDR6」 |
なお今回サンプルとして編集部に届けられた製品はリファレンスモデルではなく、ゲームクロックが1,880MHz→1,927MHz、ブーストクロックが2,245MHz→2,293MHzに引き上げられたSAPPHIRE「PULSE Radeon RX 7900 GRE GAMING OC 16GB GDDR6」だった。
Radeon RX 7900 GRE搭載グラフィックスカードは主要メーカーからリリース予定。グローバル市場向けには2024年2月27日より販売が開始され、価格は549ドルから |